本ブログは2018年6月17日に当塾公式ホームページに掲載したものを当サイトに移したものです。(2019.10.8)
「鍛地頭-tanjito-」副塾長の住本小夜子です。
本日は【プロフェッショナルの意識】について,私が考えたことを記述します。
みなさんは,「プロフェッショナル」と聞いて,何を思い浮かべられますか? 以前,うちの塾長が,
もし,学校の会議で,次のようなことがあったとしたら,保護者としてどう思う?
と,私にぼそっと投げ掛けてきたことがありました。
X校の先生方の会議で。
採用6年目のA先生が児童(生徒)に力を付けるためにと,問題解決的な学習指導法を授業の中に取り入れる提案をしました。
ところが,それを聞いた採用30年目のベテランB先生とA先生との間で,激しい言い争いが起こったのです。周囲でその言い争いを聞いていた先生方は黙ったままでした。
その場に管理職の先生方はおられませんでした。
B先生:私にはそんな授業はとてもできない!!
A先生:やってもないのに,できないとはどういうことですか?
B先生:できないものはできないんだ!!
A先生:B先生は児童(生徒)に力を付けようとは思われないのですか!?
B先生:A先生は,そうした授業ができるから,そう言っているだけだ!!
A先生の言うことは「強者の論理」だ!!
A先生:私の言うことが「強者の論理」ならば,
B先生のおっしゃることは「弱者の論理」ですね!!
フィクションであっても,「強者」だとか,「弱者」だとか,こんなこと言っちゃあいけんよ。
こうした質問をとうとうと語った後で,塾長はこれまたぼそっと言いました。
できない,できないではなくて,どうして,全ての先生方が,児童(生徒)のために,『(自分たちに)何ができるか!』という視点で考えないんだろうね。
塾長はパソコンの画面に映し出した『新学習指導要領』を読んでいて, こんな質問を思いついたようです。そして,次のように,これまたぼそぼそっと付け足しました。
自分(塾長)は1円でも給料をもらったら,それは『プロ』なんだと思って教員をやっていた。
「プロ」? 「プロ」って?
普段,何気なく使っている言葉ですが,なぜかその時,この言葉が私の胸を打ちました。
そこで,まずは,いつものように,この言葉の意味を調べてみたのです。
「プロフェッショナル」
それを職業として行うさま。専門的。また,その人。専門家。
(参考 三省堂 大辞林)
「プロフェッショナル」を略して,「プロ」と言いますが,一般的には,「プロとはその道でお金をもらって生活をしている者」と定義されています。これらの定義をご覧になって,何かお感じになることはありませんか?
実は,「プロ」と呼ばれることに,経験年数は含まれていないのです。
以前に,私は子供服販売員として働いていたことがあるのですが,入社時の研修において,指導してくださった上司に,次のように教わったことがあるのです。
売り場(店内)に出たら,あなたはプロです。
新人だとか,ベテランだとかは全く関係のないことです。お客様は,店員の経験年数など関係なく,みんな同じプロとして見ています。売り場(店内)に立った時点で,あなたはプロなのです。
だから,自信を持ってお客様と接してください。
そうなのです。どの職種においても,経験年数は関係なく,そこで働いているということ自体が「プロ」なのです。
例えば,学校では,教育実習が行われますよね。
先日,息子の通う小学校で授業参観がありました。その際,教育実習生の方を見かけたのですが,学生でいらっしゃるのに,学生という雰囲気はなく,堂々と,児童と接しておられました。
児童からは,「○○先生」と呼ばれており,もちろん,息子も「○○先生」と呼んでいました。決して,「教育実習生さん」と呼ぶことはありませんでした。
実習中であっても,児童・生徒だけではなく,保護者からも「先生」と呼ばれ,(実際に現場に出ている時点で)「プロ」としてみなされているわけです。
(無論,教育実習生は給料をもらっているわけではありませんが。)
そのような場で,「私,実習中なので・・・。良く分かりません。」とか,ましてや,本務者の先生が,「私,今年採用されたばかりなので…。良く分からないのです。」とか言われたとしたら,保護者としてどのようなお気持ちになられますか?
確かに,分からないことを分かったふうに言われるよりは,「分からない」と言っていただくことの方が親切なのかもしれません。
でも,その後が肝心ですよね。
「すぐに調べて来ます。」とか,「今すぐにはわからないので,後ほどご連絡します。」とか,このような言葉があって,その言葉どおり,実際の行動が伴っていれば,少しは安心されるのではないでしょうか。
しかし,もし「分かりません。」だけで終わってしまったとしたら…。言われた保護者は,その先生への信頼が揺らいでしまうのではないでしょうか。また,おっしゃった先生は,自分の評価を,自ら下げてしまわれたことになるのではないでしょうか。
「実習中だから・・・」「新人だから・・・」という意識に甘んじることは,自らの成長を遅滞させ,相手(児童生徒・保護者等)を不安にさせてしまうのです。
では,「プロフェッショナル」としての意識を高めるために必要なことは何か? 以下に紹介するサイトを参考にして,その記事の見出しをまとめてみました。
- 高い目標と明確で厳しい基準を持っている
- 常に成長を意識し、成長するための方法を考えている
- いつも明確な目標を忘れず、自己を良い意味で追い込める
- 自分自身に強い自信と高いプライドを持ち、辛抱強く頑張れる
- 自己の可能性を信じられる
- 自己保身が強くない
- 達成感に酔う時間が短い
- 現状に満足しない
- 確固たる信念に裏付けされたスタイルを持っている
- 肩に力が入らない自然体で自分をしっかりコントロールできる
(参照 「『プロフェッショナル』と『アマチュア』の10の違い」TAVI RABO)
塾長の質問に登場するB先生は,ましてや初任者ではないのです。それにしても,上述した項目を見て,塾長の質問を振り返ると,「ものの言い方」も「プロ」としての要件に当てはまりそうですね(笑)
(そう意味では,A先生も「プロ」とは言い難いですね。)
このことは,育児に関しても,同じことだと思います。
育児は,どんなに頑張ってもお金がもらえるわけではないですが, 無償の愛が育まれます。こどもが生まれた瞬間,お母さんもお父さんも,保護者としての「プロ」となるのです。こどもと接する際に,自信なく,おどおどしていたら,こどもは不安で仕方がありません。生まれたばかりの赤ちゃんであっても,その心情や感情は伝わるといわれています。
子育てをしていると,悩みは尽きず,気分も落ち込んでしまうことが多々あることでしょう。
「褒め方が分からない。」「叱り方が分からない。」「こどもに良いところが見つからない。 (と思っているだけですけど。) 」などなど。
でも,悩みや迷いがあって当たり前。それでも,保護者が自信をもって接することを忘れてはならないと思います。
その自信とは,
「私(たち)は,あなたのことを誰よりも精一杯愛している。」
どの保護者も持っておられる自信だと思います。悩んだとき,辛いとき,この言葉を思い出してください。間違いなく,保護者の皆様はご自分のお子様を誰よりも愛しておられます。
こどもが1歳になれば,保護者も1歳。日々,成長なのです。
「私(たち)は,あなたのことを誰よりも精一杯愛している。」
この言葉と共に,育児の様々な局面において,日々,自信を付けていってください。
私自身は,育児・教育支援 こころのカウンセラーとして駆け出したばかりです。
この業界では,「新人」と呼ばれる立場にありますが,自分に自信を持ち,日々,自己の成長と研鑽に励み,
「プロ」としての意識をしっかり持って,みなさんのお役に立てるように努めてまいります!!
自己を高める「プロ」となることが,みなさんの笑顔につながると信じて☆
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