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線形的な思考は怪我の基!!
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令和3(2021)年2月2日(火)から令和3(2021)年3月30日(火)まで
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1 プロローグ
今回も引き続き,当道場にお寄せいただいたご質問に回答させていただきます。
2 教採アラカルト(特別支援教育4)
(1) 出 題
問 次の文章の是非を問う。
LD,AD/HD,高機能自閉症など神経発達症を持つ児童生徒が2次障害を引き起こしてはいけないので,各自が持つ特性を自覚させてはならない。
参考: 「小・中学校におけるLD(学習障害),ADHD(注意欠陥/多動性障害),高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」(文部科学省,平成16年1月)の「第5部 保護者・本人用」の 「○本人用」
(2) ミニ解説・塾長の述懐
塾長の述懐
非常に重要な出題だと思います。神経発達症のある児童生徒の個の〈尊厳(dignity)〉にかかわる問題だと思います。
経験則に物を言わせます。飽くまでも私の職歴から来る経験談です。
神経発達症のある児童生徒を腫れ物に触るように対応される先生方がおられます。得てしてそういう方々は神経発達症のある児童生徒が問題行動を起こそうとしても/しても「いけないことはいけない。」と言えない傾向にあります。
神経発達症のある児童生徒の周囲にいる大人たち全員がそのような状況になれば,誰が「いけないことはいけない。」と教えるのですか? そうしたこどもたちは「いけないこと」が解らないまま大人になっていくのですか?
医療関係者を初めとする関係諸機関等と連携しながら,一人ひとりの特性を教職員集団で多面的・多角的・総合的に理解することを前提として,「人に危害が及ぶような危険なこと,絶対にしてはいけないこと」[3]『生徒指導提要』(文部科学省,平成22年3月,デジタル版:p.171,冊子版:p.161)に対しては「いけないことはいけない。」と指導し,できていることに対しては適時に認めることが大切なのです。
指導したことを定着させ、確実に身に付けさせていくためには、失敗を指摘して修正させるという対応ではなく、成功により成就感や達成感が得られる経験を積むこと、そしてそれを認めてくれる望ましい人間関係が周囲にあることが重要になります。
『生徒指導提要』(文部科学省,平成22年3月,デジタル版:p.171/冊子版:p.161)
「いけないことはいけない。」と指導せず,只管褒めてさえおけばそれで良いといった,腫れ物に触るような対応が上記引用中の「望ましい人間関係」とは思えません。
資料 重要
『生徒指導提要』(文部科学省,平成22年3月)の次の箇所を必ず読んでおくこと。
第6章 生徒指導の進め方,Ⅱ 個別の課題を抱える児童生徒への指導,第2節 発達に関する課題と対応,デジタル版:pp.170-174/冊子版:pp.160-163
ミニ解説
さて,本問に係る「特性の自覚」について考えるに及び,まずは教育公務員として文部科学省の資料に当たることが定石です。数種の参考資料がインターネット上にあります。検索してお読みになられることをお勧めします。
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3 場面指導等(特番 面接選考)
(1) 出 題
問 いじめの問題について,(教員となる)あなたはどのように考えますか?
(2) 塾長の述懐
「どこに行かれるのですか?」
「ちょっとそこまで?」
「買い物ですか?」
「いいえ,実は膝を悪くしまして。病院です。」
「気を付けて行ってらっしゃい。」
「ありがとうございます。」
う~ん,老け込みたくはないのだが,思い付いた「会話のキャッチボール」の例がこれだった。まだ若いつもりなのだが…。年を取りたくない。
おっと,そんなことはどうでもいい。
本問は(面接選考での)所謂てっぱんネタ。てっぱんネタになることによって,受験主体が醸成する「いじめの問題」が持つ言説が空洞化・形骸化した言説に変容しないことを切に願う。
さて,仮に本問が面接選考での質問であったとしよう。皆さんは先述の膝を悪くした会話のように「キャッチボール式」で回答されるのだろうか? まさかねえ…。
キャッチボールには当然相手が必要だ。そりゃあ,コンクリートの壁でも「相手」と言えば「相手」だが,特に受験主体の場合は「面接官」の意。
本問を「キャッチボール式」で回答したならば,「面接官」はどのように思うのだろうか?
抑々,こうした出題の内容を「キャッチボール式」で回答できるのか?
「面接選考で自らの回答を冗漫に語るのは……,それは良くない。そのようによく参考書等に書いてある。会話の「キャッチボール」をしろとかなんとか。/でも,これまでの筆者の述懐は「キャッチボール式」がいけないように聞こえる…。=では,どのように回答すれば良いと言うのだ?」
「だから言わんこっちゃない。日頃から多視点を形成する訓練をしなさいと言うのです。」
「えっ,正解は? 教えてくれないの? ケチな道場だなあ!」
「あなた,「プロローグ」をお読みになられました? あなたのために直ぐには教えないのです。〈ホンモノの教員〉になるためにも,まずはご自身でお考えください。」
「えっ,その後は…。」
「ダメだこりゃあ。」
© 2020 「鍛地頭-tanjito-」
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