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教員養成私塾「鍛地頭-tanjito-」vol.34 「特別支援教育2」/「面接選考アラカルト」

夕暮れのまだ青味の残る空を背景に浮き上がる金色のトロントの街 一般ブログ教材
カナダのトロントの夜景(提供 photoAC)
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学習指導要領(解説)に返れ!!

教員採用試験合格道場―オンライン教員養成私塾「鍛地頭-tanjito-」
教職員経験29年,元教員人事担当者・指導主事等・学校管理職・教育学系大学講師などを歴任した塾長は,教育研究・教員研修・生徒指導・国語教育でも実績のある指導者です。〈ホンモノの教員〉を育てることに後半生を賭し,教員を目指すあなたを合格に導きます。
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場面指導Weekly解説ルーム
複雑化・難化・多様化するあらゆる教育現象に教職員は日々対応しなければならない。そのためにはシステム思考の土台となるメタ認知能力及び抽象化能力等を養わなければならない。「場面指導」を活用する本講座の一つの目的は,そこにある。
場面指導Weekly解説ルーム基礎講座
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 1 プロローグ

当道場についての風聞を耳にする度,苦笑してしまいます。それは,ある意味,想定どおりだからです。――教員採用候補者選考(以下,「教採」と表記)に相応しないほど(講座,指導内容等の質的・実践的)レベルが高く,「まずは,乳幼児・児童・生徒ありき」の真逆をいくエゴイスティックな教員を「教員」として認めない,こだわりの強い・厳しい・怖い・反感を覚える・現代では決して流行ることのない・つれない道場――多くの方々にとっては,このようなイメージでしょうか?(苦笑)

先日来,当道場にお寄せいただいたご質問にお答えしている,その一環として,11月29日(日)夜に実施したSpecial Team[1]本務者,当道場出身の本務者及び受験主体によって構成される当道場のシンクタンク。内「鍛地頭-tanjito-」カフェバー(以下,「鍛カフェ」と表記)に因んだ話題から,当道場の雰囲気を感じ取っていただければと思います。

元来,鍛カフェはリモート呑みを行いながら,井戸端会議風に世間話に花を咲かせる,余興的色合いの濃い憩いの空間として企画したものでした。しかし,メンバーは教育に真摯に取り組む方々ばかりですから,メンバーからのご提案を受けて,初回から世間話は教育談義にその様相を変じることとなったのです。

今回のテーマは「「「みんな仲良しが良い。」とする風潮に疑問を感じる」について」でした。

――「反りが合わない」との言述があるように,抑々,「みんな仲良し」を求める方がおかしいのではないか? 学校では上辺で仲良くできるスキルを身に付けさせる方が良いのではないか? 個の時代なのだから,みんなと仲良くしなくても良いと考える児童生徒や保護者等(それに教員も)は現実にいるわけで,上辺のスキルを身に付けておけば,SNS上の誹謗中傷なども少なくなるのではないか?―― 

こうした昨今の風潮を気に留められたメンバーのお一人が提案してくださったテーマだったのです。

紙幅の関係上,鍛カフェで議論された内容は割愛します。その代わりというわけではありませんが,ここでは,翌日,その鍛カフェに出席されていたあるメンバー(以下,「Sさん」と表記)とビデオ通話でお話をさせていただいた,その一部を紹介しておこうと思います。話題は昨夜の鍛カフェの続きです。

なお,紹介の方法として,当該の鍛カフェの様子を知らせるべく,筆者がSpecial Teamの全メンバー宛てに投稿したチャットを引用することといたします。

因みに,Sさんは,現在,当道場でぐんぐん力を付けておられる受験主体です。

皆さん! こんにちは!

昨夜の鍛カフェ。
無事終了することができました。

ご参加くださった皆様,お疲れ様でした。
ありがとうございました。

テーマは「「「みんな仲良しが良い。」とする風潮に疑問を感じる」について」の1本になりましたが,学校現場等を踏まれておられる方々ばかりがご参加くださっていることからも,実践に根付いた深~いお話を伺い,深~く考えさせていただく好機となりました。

とても貴重な時間だったと思います。
ありがとうございました。

本日も昨夜ご参加くださったSさんとビデオ通話をしていて,その方が言っておられたお言葉が印象的でしたのでお伝えします。

塾長の言葉との合作でお伝えしますね。


「みんな仲良しが良い。」…つまり,この言説は「他者とのつながりを大切にしなさい。」ということ。他者には自然等も含むわけです。

他者とのつながりが希薄になっている世情があるわけです。いじめの問題などはその典型ですね。いじめを含めた,大人の世界だってそうです。

一方で,世界はグローバル化し国際社会となり,科学技術は日進月歩の発展を続けています。さらに,その一方で(だからこそ),地球的規模の環境問題,エネルギー問題,人口問題及び紛争など,我々を取り巻く環境に生起する問題は複雑化・多様化・難化しているわけです。そして,一人ひとりのこどもたちが抱える問題も同様に複雑化・多様化・難化しています。

だからこそ,こどもも大人も個に力(≒「学力」と言って良いと思います)が求められています。かと言って,それは原子論的世界観(アトミズム)ではいけないわけです。現代を席巻している要素還元主義,線形的思考では複雑化・多様化・難化した問題は解決し得ない。

豊かな〈個〉を築き上げながら,システム思考的統合型の協働性が「個」に,「集団」に必要とされている。

今次改訂学習指導要領の基底にある「何ができるようになるか」,「何を学ぶか」及び「どのように学ぶか」はまさにそうした学力を求めているのだと思うのです。したがって,系統学習だけではなく,問題解決学習だけでもない,両者を統合・止揚(aufheben)した新たな〈学び〉が追求されている。それが「何ができるようになるか」,「何を学ぶか」及び「どのように学ぶか」なのですよね。

今次改訂学習指導要領が言いたいことはそういうことではないでしょうか?

そうであるならば,教職員にも同様な学力―資質・能力―が求められて当たり前なのです。中教審等が「教員の職務から必然的に求められる資質能力」に加え,「地球的視野に立って行動するための資質能力」や「変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力」[2]「今後の教員養成・免許制度の在り方について」(中央教育審議会,平成18年7月11日)と述べるのもそういうわけですよね。

具体的には,「自律的に学ぶ姿勢を持ち,時代の変化や自らのキャリアステージに応じて求められる資質能力を生涯にわたって高めていくことのできる力や,情報を適切に収集し,選択し,活用する能力や知識を有機的に結びつけ構造化する力」,「新たな課題に対応できる力量」及び「組織的・協働的に諸課題の解決に取り組む力」/「探究力」,「教職生活全体を通じて自主的に学び続ける力」及び「新たな学びを展開できる実践的指導力」など[3]「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について ~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~ … Continue reading

さらに,加えて「主体的な学び」に象徴されるメタ認知力。「鍛地頭-tanjito-」の言う〈相対化能力〉。自らを省察(reflection)できないところで個の力量は付きません。また,組織や身の回りに生起する事象等をシステムとしてありのまま捉えられないことになる。そうなれば,自らの教育活動や組織体である学校が行う教育活動等を俯瞰してみることができないわけですから,教育の質的向上は望めない。

そのためにも言語(運用)能力を鍛えなければならないわけです。

学習指導要領を支える言語観とでも言うのでしょうか,言語は「思考力・判断力・表現力等の「知的活動(論理や思考)の基盤」,また「他者との関係づくりや集団で何かを行う時に必要な「コミュニケーションや感性・情緒の基盤」」という二つの側面を持っているわけです。[4]参考:「学習指導要領「生きる力」」(文部科学省,登録:平成23年01月 しかし,それらは二分されたものではない。統合的に考えるべきです。

いじめの問題には,確かに,こどもたちのコミュニケーション能力の低下がその原因の一つとして考えられています。(だから,大人世界のいじめを考えれば,大人の問題でもあるわけです。)

学習指導要領で「言語活動」が重要視される時代的背景が見えてきますね。

だから,例えば,「豊かな〈個〉を築き上げながら,システム思考的統合型の協働性」を形成していくためにも,コミュニケーション能力を視野に入れた言語(運用)能力の育成はとても大切だと言わなければなりません。

(言語だけではないのですが,)主に言語により他者理解することは自己理解することであり,その逆も然り。他者とのつながりの大切さを知識的に理解するだけではダメで,つながろう(協働しよう)とする実践的な意欲を育て,実践できる実行力を身に付けさせる教育が必要であることを考えたとき,「みんな仲良しが良い。」が〈語る〉言説は単なるお題目ではないことがわかるはずです。そういう意味において,再度,自己の,そして学習指導要領の道徳的価値(項目)を見直してみる必要がありますね。

SNS上における他者への誹謗中傷に辟易する気持ちはよく解るのですが,だからと言って,「別にみんな仲良しになる必要はない。どうせ馬が合わない人はいるのだから。その場だけでも適当にうまくやっていけるスキルを身に付け(させ)た方が良いんじゃないですか~。個の時代ですし。」といった考え方に教職員として同調できるのか? この辺りが教職員としての資質・能力の有無につながるのでしょうね。

このように考えてみると,今回(の学習指導要領改訂で)はホンキで〈つながり〉について考えてみなければなりません。

当道場内の講座,指導内容及びレベル等を想定していただくための一場面です。しかし,本場面は「修業(?)を続け,実力を蓄えてくると,こうした内容のやり取りくらいはできるようになるよ。」といった例示に過ぎません。――当道場の指導方針・指導方法は飽くまでも個に応じた最適な〈学び〉にあります。筆者が塾生・受講者一人ひとりに対して作成する(一人ひとり異なった)手づくりブログ教材やOneNote BOOK[5]Microsoft社のアプリ「OneNote」を活用し,日々,個に応じた手づくり教材を提示,個別の添削指導と対面指導とを繰り返して実力を養成している。に基づいて,個のニーズ,レベル及び学習ペース等に合わせ,指導のレベルや方法等を柔軟に変えて指導する,言わばオーダーメイド型の教採家庭教師のようなものですね。ただし,中級以上の講座[6]合格道場(上級),面接試験対策講座アラカルト錬成講座教育研究の寺小屋(以上中級)に在籍しておられる塾生・受講者だけですけれど。――

入門[7]オープンチャット教員採用試験対策講座,基本[8]教採アラカルト基本講座及び初級[9]場面指導Weekly解説ルーム’20講座の内実については,別の機会にお話いたします。

Sさん,来夏の(教採での)合格を期待しております。

Sさんは「まずは,乳幼児・児童・生徒ありき」を体現できる方だし,ホントウの意味で,Sさんのように学力(資質・能力)の三要素を備えた教員が必要な時代だと思いますから。

 2 教採アラカルト(特別支援教育2)

(1) 出 題

問 神経発達症に関する次の説明文の中から,誤ったものを一つ選びなさい。

  1. LDとは「学習障害」を意味します。LDにおいては,全般的な知的発達に遅れがあり,聞く,話す,読む,書く,計算する,推論する能力のうち,特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を示すとされています。
  2. AD/HDとは「注意欠陥/多動性障害」を意味します。年齢や発達に不釣り合いな注意力,衝動性,多動性を特徴とする行動障害で,社会的な活動や学業の機能に支障を来すものとされています。
  3. 高機能自閉症とは,3歳くらいまでに現れ,他人との社会的関係の形成の困難さや,言葉の発達の遅れ,興味・関心が狭く,特定のものにこだわることを特徴とする行動障害である自閉症のうち,知的発達の遅れを伴わないものを言います。

本問は令和元(2019)年11月23日(土),旧Openchat教員採用試験対策講座で採り上げたものです。

(2) 塾長の述懐

いつも述べているように,「正解は1だ!」と言って喜んでいるようでは……。

本問は何を目的とする出題なのでしょうか? 少なくとも「鍛地頭-tanjito-」におけるブログ教材のコンテクストにおいて,本問が採り上げられるとき,それは「「正解は1だ!」と言って喜んでいるよう」な正解至上主義を基調とした言説を有しないことだけは明白な事実です。

「プロローグ」の中でも先述したとおり,「これからの〈新しい時代〉の〈新しい教育〉に求められる教員の資質・能力」を有した方ならば,「正解は1だ!」と糠喜びすることはないでしょう。視線はきっと出題文中の「1」~「3」にあるような神経発達症がある児童生徒等への指導の在り方を見詰めているはずです。

そうした思考のコンテクストにある方ならば,「1」~「3」に記述されたそれぞれの特性が自ずと脳裡に収まるのだと思います。

さらに資質・能力に長けた方ならば,「1」~「3」それぞれの記述の,分類(・タイプ分け)に付き物である「普遍性を疑うこと」を試行してみるでしょう。だから,その問題を解決しようと自ら調べてみる。そして,それらが一般的特性であることに気づいていくのです。だからこそ,そうではない〈個別の特性〉に思いを馳せることができるようになるのです。

「正解は1だ!」とだけ喜ぶような教員。
〈個別の特性〉に思いを馳せることができるような教員。

児童生徒等はどちらかの教員を自らの意志で選ぶことはできないのです。だから,口酸っぱく念仏のように唱えるのです。

「まずは,乳幼児・児童・生徒ありき」

 3 場面指導等(面接選考アラカルト)

(1) 出 題

問 新型コロナウイルス感染症(COVID-19,以下「感染症」と表記)が蔓延している昨今の状況にあって,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善(アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善)ができますか?

(2) 塾長の述懐

筆者としては採り上げる必要はないと思っていた出題です。しかも,今回は別のテーマを採り上げる予定でした。では,なぜ本問を採り扱うのか?

先日,ある受験主体(以下,「Aさん」と表記)との「対話」の中で,「えっ!?」と思う瞬間があったからです。感染症がさらに猛威を振るい始めた現況にあって,「来夏の教採(面接選考等)で本問のような出題がある。」と,Aさんは予想しているようです。

何かを読んだか,どこかで聞き齧ったか。本問に対する解答として得意そうに語り始めました。語りは「グループでの対話的な学びはできません。」から始まりました。この瞬間,筆者は「凡そ○○○○のような解答を述べるのだろうなあ。」と,その解答を予見することができました。そして,それは当たります。

解答には「生きる力」が出てきました。その他「学習意欲を喚起する授業づくり」,「学習評価」,「授業評価」,「授業改善」,「教材研究」及び「自問自答」といった所謂術語が出て来ていたように思います。

一通り黙って聴いた後で,筆者はAさんに質問してみました。

「主体的な学び」って何?
(本問の陥穽に当たる)「対話的な学び」って何?
「対話」って何?
「対話」と「会話」とはどう違うの?
「対話」の概念を勘違いしてない?
「深い学び」って何?
「今次改訂学習指導要領に措定される学力観について,学習指導要領の変遷史を追いながら簡潔に説明してみてくれる?」
「教育の不易」って何?
「Aさんの解答の殆どは,感染症が蔓延していないときでも当て嵌まらない?」
「Aさんの専門教科において「主体的・対話的で深い学び」だと思う授業構想を述べてみて?」
「Aさんの解答のポイントは何だったの(術語をただ並べただけ)?」
「それから………。」

Aさんの解答だけを取ってみれば,その内容そのものが100%間違いだというのではありません。しかし,御門違いなのです。「教採の面接選考等で訊かれるかもしれないから。」との意識がそうさせるのです。選考のための解答を考えようとしているからです。つまり,「合格だけすれば良い。」と考えているからです。帳尻を合わせた学習(対策)では実力(学力(資質・能力)の三要素,言語(運用)能力,豊かな感性・情緒,即戦力・実践力など,総じて総合的な人間力)は絶対に・・・身に付きません。それで児童生徒等の前に立つのですか? 教員としての資質・能力を磨く必要があります。

残念ながら,Aさんとは「対話」が成立しませんでした。「会話」でしたね。

学習指導要領が求めている「たいわ」は「対話」ではなくて,〈対話〉若しくは《対話》だと思うのですけれど。

「感染症が猛威を振るっているから,(だから,)教採に出るから…」といった発想をそろそろ止めません? 「教育の不易」の視点から参考書や問題集等の解答・解説を御覧なさい。コロナ対応の面接質問の解答・解説の地平は全く異なるものに見えてくるはずです。感染症の対応が(本質的なところにおいて)〈特化〉される必要はほぼないのです。

出題に対するご質問,ご意見,正解及び解説等に係る照会については受け付けておりません。予めご諒解ください。

© 2020 「鍛地頭-tanjito-」


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