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教員養成私塾「鍛地頭-tanjito-」vol.22 「チーム学校」/「教室からの飛び出し」

夕暮れのまだ青味の残る空を背景に浮き上がる金色のトロントの街 一般ブログ教材
カナダのトロントの夜景(提供 photoAC)
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「連携」はお題目ではない!!

 1 合格体験記

合格,誠におめでとうございます!!
先日,お寄せいただいた塾生K様からの合格体験記です。(今夏選考分)

第3期塾生 合格体験記

合格,誠におめでとうございます。ホントウによく精進されたと思います。「まずは,乳幼児・児童・生徒ありき」の発想でいつも課題に正対されておられました。豊富な課題に対しても一つひとつ全力で臨まれ,とことん調べ,とことん考え,端的に整理して表現されていたことが当方の脳裏に焼き付いております。直接お話もしましたが,当方が出会ったことのない高い修正能力をお持ちで,そうしたことも印象的でした。しかも,バイタリティーに溢れておられました。常に児童生徒を中心に据えて考えておられるK先生に出逢える児童生徒は幸せだと思います。先生の包容力は抜群です。どうぞお身体には気を付けられて,ご活躍なさってください。

また,今後も当道場に〈学びの場〉を求めてくださり,嬉しくてなりません。この熱き〈学縁〉を賜りましたことに衷心より感謝申し上げます。共に乳幼児・児童・生徒のためになることをホンキで研究し続けて参りましょう。

これからもどうぞ末永くよろしくお願い申し上げます。

塾長 小桝雅典 

2020年「鍛地頭-tanjito-」が開講する「場面指導Weekly解説ルーム」のコマーシャル用フライヤー(講座のメリット編)
場面指導Weekly解説ルーム’20

 2 プロローグ

(1) 「地球は平べったい板の形をしている。」

「地球は平べったい板の形をしている。」――当道場で筆者がよく持ち出す寓話の語り出しである。こうした地球平面説は近代に生まれた謬説だとも言われる。中世初期には地球球体説が学者によって支持されていた[1]「地球平面説という神話」(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)と。

ピタゴラス学派,コペルニクス,ガリレオ等には申し訳ないのだが,当道場の寓話の場合,地球平面説であろうが,地球球体説であろうが,その科学的歴史であろうが,将又,謬説であろうが,それらは一向に関係がない。「地球は平べったい板の形をしている。」が有する言説の権威性が問題であり,謬説の〈寓意性〉が有意義なのだ。

人間界ではよく生起することだ。権力者や声の大きな人が事実ではないのに「事実だ」と宣えば,それは「ジジツ」になり,「シンリ」になる。なぜならば,「地球は平べったい板の形をしているのだ。」の言説の有する権威性に平伏し妄信する「タイシュウ」がいるからだ。信じて疑わないからだ。だから,権力者や声の大きな人が良からぬことを企めば,それは実現してしまう。多視点を持って事象の全体を〈相対化〉し(できるだけ・・・・・ありのまま)多角的に捉えることができれば,そうした事態を少しは回避できる。

現代の教育はそうした能力を児童生徒に身に付けさせる重要な節目にある。また,学校教育のパラダイムを〈相対化〉し,自らの教育活動に創意工夫を施せる教員としての能力が希求されている。

「地球は平べったい板の形をしている。」の〈寓話性〉を有する同質の現象が教採対策界に惹起している。

「1次選考までは参考書と問題集をしっかりと熟して,それが終わってから2次選考の対策を行いましょう。」
「参考書と問題集をしっかりと学習しておけば,(その他のことを行わなくても)教採(程度の)対策ならば大丈夫です。」

これらの言述はまさに「地球は平べったい板の形をしている。」と同質である。こうした言説のパラダイムは「(受験主体が)合格だけすればよい。」にある。世相を反映する自我中心主義の言説である。そこに,乳幼児・児童・生徒の姿はない。この場合,こうしたパラダイムは上述の言述主体と或る受験主体の間主観性によるものと考えられる。

(前略)面接が二次試験以降に課されるところであっても,一次試験に合格してから面接試験などの二次対策をと思っていては合格はおぼつかない。というのは,一次試験の合否の発表後から二次試験までの時間はそんなにないので,「場面指導」など要求の高い試験に対応するのは難しいからである。したがって,結局は一次試験と並行して面接試験などの対策を講じておく必要があることになる。

『2020年度版 教員採用試験 面接試験・場面指導の必修テーマ100』(資格試験研究会,実務教育出版,2020.3,p.11)

この引用も「合格だけ言説」から解放されていない。「一次試験の合否の発表後から二次試験までの時間はそんなにない」ことが主たる問題ではない。しかし,結果論として少なくとも「一次試験と並行して面接試験などの対策を講じておく必要がある」は誤りではない。

問題は教員としての力量をどれだけ身に付けて,乳幼児・児童・生徒の前に立つかだ。そして,教員としてどれだけ全力で学び続けていくことができるかだ。教員になろうと決意・・したその日からその力量形成の尊い営為が始まる。

参考書と問題集だけでそうした力量を養えるわけがないのだ。教職はそんなに甘いものではない。俗に言う「教採対策」と(それを含めた)「教員としての力量形成」とを止揚・統合した事前の〈学び〉が,現代の学校教育には必須なのである。時代も,一人ひとりの乳幼児・児童・生徒も,そして大人たちも,それぞれが抱える問題は複雑化・難化・多様化しているのだ。「教員になってから難しいことは学び始めればよい。」といった悠長な時代ではない。―まあ,いつの時代もそうなのだが。―AI時代に向けて近々シンギュラリティをも迎えるのだ。端から職責が伴うのだ。

このように述べていると,「学習方法はその人に合ったものでよいのだ。」という人たちがいる。要するに,当道場の〈学び方〉を押し付けるなと。…しかし,それは種々多様な学習方法を体験・実感し,「合格だけ言説」から自己を解放した「まずは,乳幼児・児童・生徒ありき」を体現する・できる人が述べる言葉である。そうであるならば,反対はしない。

(2) 「早すぎますよ!」

「早すぎますよ!」
「ちっとも早くないよ。」

既に開講している「場面指導Weekly解説ルーム’20」とこの11月に開講する「教採アラカルト基本講座」の話だ。前述したことからご理解いただけると思う。まだ,合格発表がなされていない地方自治体が数多い中,教採対策講座を開講するのは「早すぎますよ!」ではなく,「ちっとも早くないよ。」なのだ。

他社様に先んじて当道場の塾生や受講生を確保しようなんぞ毛頭考えていない。現に,「合格道場」の定員は2名だ。しかも,「面接試験対策講座」,「アラカルト錬成講座」及び「教育研究の寺小屋」を併せて定員は5名しか張っていない。なぜならば,当道場のスタッフを含め,「鍛地頭スル」ためだ。少なくとも教員としての「総合的な人間力」(=「地頭」)を徹底的に「鍛」えるためなのだ[2]当道場公式ホームページの「「地頭(じあたま)」の定義」を参照のこと。。これらの講座は塾長の添削指導や対面指導がメインで,半端ない・・・・添削指導や対面指導を行うから,こうした少人数なのだ。

偏に,まずは,乳幼児・児童・生徒のため,そして塾生や受講生のためである。

「「鍛地頭-tanjito-」の講座を受けたら,「鍛地頭-tanjito-」の別の講座を受講したくなる。」とおっしゃってくださる塾生や受講者が多い。だから,合格後も,本務者になってからも受講してくださったり,塾生や受講者と当道場のスタッフ限定で学問を深める〈学びの場〉が発足したりしているのが現実である。

さらに,「まずは,乳幼児・児童・生徒ありき」を真剣に考える受講者と〈学縁〉[3]造語。学問とのご縁。学問を志す者同士のご縁。を広げ,深めたいと切望するとともに,現代の教育を担う教員の課題を克服する契機としていただきたい,そのためには逸早く開講をと考え,「場面指導Weekly解説ルーム’20」や「教採アラカルト基本講座」を開設した次第である。

「教員研修を基盤とする教採対策講座でなければならぬ。(by 「鍛地頭-tanjito-」)」は「地球は球体である。」と等質である。

 3 教採アラカルト(チーム学校)

出 題

問 次の文章は,中央教育審議会から答申された「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(平成27年12月21日)の一部である。よく読んで後の問いに答えなさい。

 学校が,より困難度を増している生徒指導上の課題に対応していくためには,教職員が心理や( A[4]福祉 )等の専門家や関係機関,( B[5]地域 )と連携し,チームとして課題解決に取り組むことが必要である
 例えば,子供たちの問題行動の背景には,多くの場合,子供たちの心の問題とともに,家庭,友人関係,地域,学校など子供たちの置かれている( C[6]環境 )の問題があり,子供たちの問題と( C[7]環境 )の問題は複雑に絡み合っていることから,単に子供たちの( D[8]問題行動 )のみに着目して対応するだけでは,問題はなかなか解決できない。学校現場で,より効果的に対応していくためには,教員に加えて,心理の専門家である( E[9]カウンセラー )や( A[10]福祉 )の専門家であるソーシャルワーカーを活用し,子供たちの様々な情報を整理統合し,( F[11]アセスメント )やプランニングをした上で,教職員がチームで,問題を抱えた子供たちの支援を行うことが重要である。
 さらに,( G[12]いじめ )など,子供たちの生命・身体や教育を受ける権利を脅かすような重大事案においては,校内の情報共有や,専門機関との連携が不足し,子供たちのSOSが見過ごされていることがある。( H[13]校長 )のリーダーシップの下,チームを構成する個々人がそれぞれの立場や役割を認識しつつ,情報を共有し,課題に対応していく必要がある。

問1 空欄A~Hに適語を補いなさい。
問2 下線部①について。
 (1) 学校が専門家や関係機関等と連携する必要が生じている理由を何だと考えますか? 簡潔に説明しなさい。
 (2) 専門家や関係機関等と連携する際の留意点を述べなさい。
問3 下線部②について,児童虐待が疑われる場合,学校が児童相談所等に通告することは,地方公務員法第34条により守秘義務違反となる。是か非か。
問4 下線部③について,「子供たちのSOS」の具体例を述べなさい。(3つ以上)

ミニ解説・塾長の述懐・資料

中教審答申からの出題です。大切な答申(=だから頻出)ですから,問題のリード文に原典のリンクを貼っておきました。必ず読んでおいてください。(概要版があるので,そちらを先に読むのも一方法です。)

問1 脚注番号にカーソルを当てるか,タップしてください。ポップヒントで正解が示されます。

問2 教員採用候補者選考を基準にすれば,少々レベルの高い問題です。しかし,学校現場で指導する限り,身に付けておかなければならない知見です。「諸機関等連携」は決して指導のためのお題目ではありません。連携の必要性が理解できて初めて充実した連携ができるわけです。連携の必要性について得心すれば,自ずと留意点が見えてきます。その辺りについて「アラカルト基本講座」で一緒に考えましょう。

問3 「通告」の有する意味・役割・義務をよく理解することです。また,児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)の改正の3ポイント及び改正の経緯を押さえておきましょう。そうすれば,通告の義務と守秘義務との連関性も理解しやすくなります。

問4 「SOS」のサインに何があるのか,その知識だけを習得しても,しないよりはよいのですが,脳裡の箪笥の引き出しに押し込んだそうした知識は,学校現場でタイムリーに引き出せるものではありません。知識の習得だけに終わるのではなく,どのようにすればそれらの知識を適切,適時に引き出せるのか? こうした思考性が重要です。引き出すだけでもダメですけれど。

 4 場面指導等(教室からの飛び出し)

出 題

問 授業中に繰り返し教室から飛び出してしまう児童生徒Aがいます。どのように対応しますか?

ミニ解説・塾長の述懐・資料

よく教室から飛び出す生徒がいました。先生方が一生懸命に取り組まれているのに飛び出してしまいます。しかし,私にはその時々の当該生徒の様子からほぼ行き先(校内)が分かりました。

「なんじゃあ,先生か…。なんでここじゃゆ~てわかるん(どうしてこの場所だと分かるのですか)?」
「わかるけん,わかるんよ。「なんじゃあ,先生か…。」はないじゃろうが。」

校内には死角となる場所が結構あるものです。当該生徒は大抵三か所の死角にいました。その時々の心的状況に合わせるかのように,それら三か所のいずれかに決まって居るのです。

「校外には出るなよ!」

いつも毅然として指導していました。出ていないときにも。

(筆者の実践談(抜粋))

なぜ当該生徒の居場所がその都度分かると思われますか?
なぜ「校外には出るなよ!」と毅然として指導していたと思われますか?

場面指導Weekly解説ルーム」でお話します。

本問は解答の幅のある問いです。なぜならば,児童生徒が教室から飛び出す要因に種々の態様が考えられるからです。どのような要因があるのかを考えてみましょう。

次に具体的な対応(指導)について考えます。どのような要因があるにせよ,共通して真っ先に行わなければならない対応がありますから,まずはそれについて考えましょう。その後で,種々の要因に対して,指導の系統性を意識しながら,「事前・事中・事後」の指導段階に分け,それぞれの対応を考えてみましょう。

当然,周囲の児童生徒への対応も考えなければなりません。

「児童生徒が教室から飛び出したら,一声「出てはいけない。」と注意し,後は他の先生方に任せて,即座に教壇に戻り授業を始めなさい。」と受験時代に教わったXさん。本務者となり,学級は崩壊しました。この事案,ここで語り切れないものを含め,筆者としては伝えたいことが山ほどあります。「場面指導Weekly解説ルーム」でお話します。

出題に対するご質問,ご意見,正解及び解説等に係る照会については受け付けておりません。予めご諒解ください。

© 2020 「鍛地頭-tanjito-」


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