生きる自分への自信を持たせる「鍛地頭-tanjito-」副塾長の住本小夜子です。
さて,本日は,【生徒指導の三機能とメンタリングとの関係】について考えてみました。まず初めに,みなさんは「メンタリング」とは何か,ご存知ですか?
メンタリングとは
(参考:「メンタリングとは?」国際メンタリング&コーチングセンター)
経験者(メンター)が,経験の少ないメンティの夢と挑戦を引き出し,そのキャリア(成功体験)の実現のために,惜しみない指導・支援をする統合的指導・支援技術。
メンタリングの考え方
各人財の個性を尊重し,ある才能が例えなくても,他の才能があるのではと考え,将来の可能性を追求し,支援する。
※ 現役時代,県立教育センターの職員として「メンタリング」を研究していた塾長がお薦めするサイト記事です。
上述した内容は,「国際メンタリング&コーチングセンター」のサイトに記載されているものです。これらについては,塾長も私も,「うんうん」と何度も頷くほど,納得のいく内容でした。
紹介したサイト記事によると,メンタリングは,コーチング,カウンセリング,語り,動機づけ,チームづくりなどで構成されています。教育界では,メンタリングを早い段階で重要視しており,広く世界的にも導入されています。また,メンタリングは,こどもはもちろんのこと,保護者や教職員への指導・支援に役立っています。
「メンター」の一番の条件として言えることは,見本となれる「経験(専門性)がある」ことです。「コーチング」の「コーチ」は,その道のプロではない,いわば,門外漢でもよいわけで,その点が「メンタリング」と大きく異なっています。
私の「自己紹介」にもありますが,小学1年生の息子は,「軽度の自閉スペクトラム症」であり,私には,専門機関と連携し,療育を取り入れた育児を行ってきた経験があります。(現在も,継続して行っています。)そうした経験から,0才~6才児(当時)の療育にかかわるメンター的な役割ができるのではないかと考え,私は,当塾で乳幼児教育コーナー(旧称)を担当することにしたのです。
では,ここで,実際に私が息子と共に行っている,事例の一端をご紹介します。
息子は,何かにつけ,スムーズに物事を進めることが苦手です。息子を取り巻く外部のいろいろな情報に敏感であるため,注意が散漫になるのです。そのため,朝の身支度(登校準備など)や,帰宅後の着替え,宿題への着手など,普段から,ものすごく時間がかかってしまいます。
幼稚園に通っていた年中の3月から,広島市こども療育センターの小児科に定期的に受診しており,主治医や塾長からのアドバイスをもとに,「あさおきてやること」と「かえってきたらすること」と題した「順番表」を息子と共に作成しました。
この「順番表」。もう,何度作り直したのか,覚えていません。一度上手くいったからといって,それがずっと継続して続くわけではないのです。上手くいかなければ作り直し,効果が薄くなれば作り直し,その都度,何度も何度も,息子と相談し,息子の納得がいくように作り上げ,取り組んできました。
(※「ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)」の考え方に基づいています。)
また,この「順番表」を部屋の壁に貼りつけているのですが,その位置も,息子の視線の高さで,すぐに目に付く場所にしています。その周囲には,別の掲示物(情報)はありません。
さて,私と息子は,毎朝同じように行動します。上述した「あさおきてやること」の順番で。起床時刻は午前6時10分。身体を起こしたら,「順番表」に従い,行動開始です!!
〇 それぞれトイレを済ませたら,一緒に歯磨きをする。
〇 次に,朝ご飯の準備を一緒に行って,一緒に朝ご飯を食べる。
〇 食べ終わったら一緒に食器を下げて,一緒に服を着替える。
〇 忘れ物がないか,持っていくものを一緒に確認する。
〇 7時5分に(「家を出ましょう」というアラーム設定をしているので,それが鳴ったら)一緒に家を出る。
(「順番表」にしたがって,母子が一緒に行う行動)
この流れを,毎日1時間掛けて行っています。母子で目標としていることは,1 集団登校の登校班で決められている集合時間に,遅れずに行くため。
(これは,人を待たせないということ。)
2 計画的に,物事を進められるようになるため。
そして,私だけに付加されている目標は,
3 すべては,息子のため。(将来的な状況も見据えてのこと。)
「一緒に行動すること」への是非はあるでしょう。しかし,これによって,息子は,「お母さんも頑張っているのだから,僕も頑張る!」と,自発性を高めていることは事実です。こうした私の行動を促すきっかけになったのは,塾長がよくつぶやいている,「生徒指導の三機能」という言葉です。
1 自己存在感を与える。
2 自己決定の場を与える。
3 共感的人間関係を育成する。
塾長は,息子の変化を見て,次のように言っています。
同じ目標に向かって努力する母親の姿を見て,○○くんは「僕もがんばらなくてはならない。」と思うようになった。これって,「共感的人間関係」だよね。○○くんは,順番を守って行動できるようになりつつあり,「自分のためにも,母親のためにもなっている。」と思うようになってきた。これって,「自己有用感(他者のために役立っていると思う感情)」が,「自己存在感(自分の価値についての感情)」を与えているんだよね。○○くんは,すべての行動が順調にできるようになったら,「次は何ができるようになるか」を模索し始めているよね。これって,うまく(息子を)持って行けば,「自己決定の場を与える」ことができるよね。
そして,次の塾長の言葉で,ふと気づかされたのです。これらって,「メンタリングの精神」と言えるのではないか?
そうなんです。すべては,3つの目標達成のためなのです☆
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