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個に応じた発達支援―ペアレント・トレーニングを採り入れてみて―

幼いこどもの手を握る母親の手 特別支援教育(療育)
お出かけ(提供 photoAC)
この記事は約29分で読めます。

小学2年生の息子(軽度自閉スペクトラム症)の今年度の目標は,
1 (文)字をていねいに書く
2 (例えば,他者との関係性を考えず,自らを優先した)自己欲求を満たす前に,やるべきこと(宿題など)を先に済ませる
これら2点です。

目標に関しては,担任の先生や通級の先生と相談しながら,本人を交えて決めました。家庭-学校-通級-放課後等デイサービス,そして6月から新たに通い始めた学童で連携し,取り組んでいます。

しかし,現実的な日々の目標達成はなかなかうまくいきませんでした…。
そこで私は,ふと目にした画像をヒントに新たなシステムを導入することにしたのです。

1 新たな刺激が必要

春休み中,文字をきれいに(丁寧に)書けるように練習するため,息子の興味をそそるようなテキストやワークブック等がないかと,近くの書店を訪ねました。しかし,そこに置いてあったものは,学校で使用しているドリルがほとんどで,私は「同じものをやっても,息子は関心を示さず,楽しいとは思わない。」と頭を抱えていたのでした。

そのような折,ふと目を引いた背文字。「なぞらずにうまくなる………」 この練習帳を手に取りペラペラと中身を一瞥,「これだ!!」と思うや否や,私はレジに並んでいたのです。

『なぞらずにうまくなる 子どものひらがな練習帳』
『なぞらずにうまくなる 子どものひらがな練習帳』
(著者/編集:桂聖,永田紗戀,実務教育出版,2012.8)

ページをめくると文字が大きく表示されており,イラストなども入っていて,「止め」「はね」「はらい」や「角度」「ふくらみ」といった(文字をきれいに(丁寧に)書くための)技術がストーリーで表現されているので,字形がとてもわかりやすいのです!!

【参考】なぞらずにうまくなる子どものひらがな練習帳 単行本(ソフトカバー) – 2012/7/24,桂 聖 (著), 永田 紗戀 (著)

この練習帳に取り組み始めてすぐ,効果は表れました。なぜならば,ストーリー性をもってひらがなを練習できるという行為は息子にとって「新しい刺激」であり,読書好きな息子にとって,本を読む感覚でひらがなをきれいに(丁寧に)書く書き方を学習できるという〈学びの楽しさ〉があったからです。

注:飽くまでも,息子の場合の効果であって,すべての神経発達症(自閉スペクトラム症
  等)のお子様にストーリー性をもった書き方が適合するとは述べておりません。一人
  ひとりのお子様の特性に合ったひらがなの練習があるでしょうし,(関係機関との連
  携を図りながら,)お子様の特性に合った学習方法を,お子様と共に模索していくの
  が保護者の役割だと考えます。

ところが!! そう簡単にすべてがうまくいくことはありませんでした…。
次なる課題が発生したのです。

2 それはそれ,これはこれ

春休み中という短い期間で,ひらがなすべての書き方のコツをストーリーで覚えた息子(特性の一つに,特定のものに対する記憶力の良さがあります)。ですが,記憶しただけでは日常生活の文脈(コンテクスト)の中で,実際にきれいに(丁寧に)書くことはできないので,学校の宿題に加え,「母ちゃん宿題」として,毎日,ひらがな10種類×12文字分をノートに書くという課題を与えてみました。

記憶(インプット)したもの(情報)を如何に(活用して)日常の文脈(コンテクスト)の中で表現(アウトプット)させるか――定型/非定型にかかわらず,大人も含めて,現代,特に必要とされる能力であり,新学習指導要領の根底を成す考え方でもあります。また,記憶(インプット)したもの(情報)を繰り返し表現(アウトプット)することによって,脳内における記憶は短期記憶から長期記憶へと変貌し,(真の)知識として定着していきます。――その訓練(トレーニング)をさせる必要があると考えたのです。ベストは日常の文脈(コンテクスト)の中で,ストーリーで覚えたひらがなをより必然性をもって活用できる場があること/保護者等がそうした場を設定することです。内発的な動機でもって活用できる場に(こどもが)臨む方が自分のものになりやすいのですが,「内発的動機付けの前段階としての(短期間の)外発的動機付け」と位置付け,今回は課題を提示してみたのです。

当初,息子は「母ちゃん宿題」の提案を私が行った際,難色を示したのですが,当該の練習帳に付いていた帯(上掲の写真を参照)を見せ,「毎日練習すれば,3か月後にはこのようにきれいに書けるようになるんだって。」と掛けたことばが契機となって,「母ちゃん,ぼく,やってみる!!」と息子は意欲をもって課題に臨む態度を示すようになったのです。

それ以来,「母ちゃん宿題」に取り組んでいる息子のノートを覗いては,「この字はきれいだね,良く書けているね。」とか,「この字はこの「はね」をこんな感じにしたら,もっときれいに書けるんじゃない?」とか,所謂学校教育で言うところの「形成的評価(≒学習の途中で行う評価)」を入れながら,毎回,宿題が終了したところでは,その回,息子が書いたすべてのひらがなを点検し,良いところは褒め,直すべきところは助言する(「総括的評価(≒学習の最後に全体を通じて行う評価」)という過程を繰り返したのです。

自閉スペクトラム症の特性(筆跡)
「母ちゃん宿題」ノート

ところが,「母ちゃん宿題」は息子にすれば丁寧な――まだ,本当のところは「きれい」とは言い難いのですが,――文字で書いているのに対して,学校の宿題や連絡帳に書いてある文字は読むのですら困難な状態のままでした。定型のお子様ならば,「「母ちゃん宿題」できれいに(丁寧に)ひらがなを書く練習をしているのだから,その他の宿題ノートや連絡帳もきれいに(丁寧に)書かないといけない。」と考えられるのでしょうが,息子はそうはいきません。「「母ちゃん宿題」はきれいに(丁寧に)書こう!」と激励すれば,「母ちゃん宿題」だけはきれいに(丁寧に)書こうと考え(情報処理をし)て,それだけでミッションはコンプリートしてしまうのです。これが息子の特性なのです。それでも「どのノートも,きれいに書けるコツを思い出しながら,ゆっくり丁寧に書いてみよう!」とその都度指導するのですが,何度やっても「母ちゃん宿題」以外は,乱れた文字になってしまうのです。それは,息子自身が「宿題ノートや連絡帳の文字もきれいに(丁寧に)書かなければならないのだ。」と納得していないことが原因と考えられます。

自閉スペクトラム症の特性(筆跡)
宿題(漢字ドリルのノート)

特に,宿題ノートは日によって, 「できる・できない ( 自閉スペクトラム症の特性) 」の差が激しく,それに比例するように文字のきれいさ(丁寧さ)も変化します。そこには,その時の心の安定具合が大きく関連していると思われます。学校で息子の身に起きた出来事にも左右されますし,学校から帰宅して後の息子の言動に対する私の指示の出し方でもそうです。そこで私は,まずは,息子に対する私の指示の出し方を変えてみようと考え,次なる策を打つことにしたのです。

3 CCQによる指示

CCQとは,Calm(穏やかに),Close(近づいて),Quiet(静かに)のことです。これは,ペアレント・トレーニングの技法の一つである「効果的な指示の出し方」に用いられています。

本題に入る前に,ペアレント・トレーニングについての説明を引用しておきます。

ペアレントトレーニング: 発達障害者の親が自分の子どもの行動を理解したり、発達障害の特性をふまえた褒め方やしかり方を学ぶ<ママ>ための支援。

発達障害者支援施策の概要,厚生労働省

このペアレント・トレーニング・プログラムの基本理念と枠組みは,米国マサチューセッツ大学のバークレー博士(R.A.Barkley )の研究と,カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でフランク博士(F.Franke)の指導のもと1983年からペアレント・トレーニングを実施しているウィッタム女史(C.Whitham)のプログラムを参考にして国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精神保健部のチームによって作成されたものです。日本の家族に適用しやすいように,児童の発達にかかわる相談や療育の機関で実施しやすいようにと意図して作成したプログラムです。

『こうすればうまくいく 発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル』,監修 上林靖子,編集 北道子・河内美恵・藤井和子,中央法規出版株式会社,2009年4月 ,p.1…a

一般的に,このトレーニングの対象者は「発達障害を持つこども」だけと思われがちですが,決してそうではありません。「特別支援教育」(療育)こそ,すべてのこどもに必要な教育なのです。ペアレント・トレーニングはそのフィールドにあるトレーニングと言えます。

特別支援教育を推進していくことは、子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行うものであり、この観点から教育を進めていくことにより、障害のある子どもにも、障害があることが周囲から認識されていないものの学習上又は生活上の困難のある子どもにも、更にはすべての子どもにとっても、良い効果をもたらすことができるものと考えられる。

1.共生社会の形成に向けて,資料1 特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告 1 ,文部科学省,下線は筆者による(以下,同様)。

このプログラム(筆者注:「 ペアレント・トレーニング・プログラム 」のこと)は,子どもの行動に注目し,よりよいコミュニケーションを通して子どもが適切な行動をとれるように援助するためのものなのです。ですから子どもに障害や問題行動がなくても育児不安を抱える保護者など,子育て全般に適応できるものとなっています。

前掲書a,p. 10

このように,特別支援教育は神経発達症(発達障害)の有無にかかわらず,すべてのこどもの心身の成長にとても重要な教育だと言えるのです。したがって,我が家では息子だけではなく,娘(4才)にも特別支援教育を援用したアプローチを行っています。


では本題に戻ります。

私は,このペアレント・トレーニングを参考に,息子への指示の出し方を変えてみました。方法は以下のとおりです。

指示を出すときは,CCQ(気持ちを穏やかにして,子どもに近づいて,声のトーンを抑えて)で伝えます。これが指示を出すときの最も大事なポイントです。

前掲書a,p.93

●CCQとは

① C:Calm…あなた自身が穏やかに
 お母さん(お父さん)自身が自分の気持ちをコントロールして落ち着いて指示を繰り返すことが大切です。「イヤだ!」「やりたくない!」という子どもの反応に振り回されず,そこには注目せずに(=無視(筆者注:※1を参照のこと)),冷静に落ち着いて,一貫した態度で指示を出しましょう。

② C:Close…子どもにもう少し近づいて
 遠く離れた所や見えない所から指示を出すのではなく,子どもが指示を出しているお母さん(お父さん)を認識し,注目できる距離に近づきましょう。

③ Q:Quiet…声のトーンを控えて静かに
 抑えたトーンの声を保って静かに指示を繰り返しましょう。一度で聞かないからといって二度目,三度目には声を荒げたり,大きなボリュームで訴える <ママ> のは得策ではありません。大声を張り上げたり,感情的にトーンをあげる <ママ> と,その声の調子に反応して子どもも感情的になったり,逆に「何か怒っているな」と承知はしていても,言っていることの内容が子どもには理解しにくくなって <ママ> しまうことがよくあります。

前掲書a,pp.93-94

まずは,このCCQを息子の苦手な行為の一つであるおもちゃの片付けに採り入れてみました。私は,そっと息子に近づき,息子の肩にポンっと軽く手を添え,息子の目を見て,やんわりと「〇〇(息子の名前),おもちゃを片づけます。」と指示をしました。すると,息子は少し身体を引いて「えっ?! 母ちゃんどしたの?!」という当惑の表情を浮かべ,いつもと違う私の態度に違和感を露わにしたのです。(笑)

1回目の指示後,少し様子を見ていましたが,おもちゃを片付けようとはしなかったため,2回目の指示をします。2回目も1回目と同様に ,そっと息子に近づき,息子の肩にポンっと軽く手を添え,息子の目を見て,やんわりと「〇〇(息子の名前),おもちゃを片づけます。」と指示をしました。

すると,何か息子の中で変化が起きたのです。やる気スイッチが入ったのか,「母ちゃんが異様だ」と感じたのか(笑),何にせよ,おもちゃの片づけを始めたのです。ここで大切なことは,(こどもが)好ましい行動(この場合は「片づけを始めた」)をしたら「すぐに褒める」こと。すべてが終了した時にだけ褒める(=「総括的評価」)のではなく,開始時や途中にも,好ましい行動に対して褒めます。前述した所謂「形成的評価」です。――「形成的評価」は学習過程での良好な結果をただ褒める(=現在の学習の方向性を良好として認める)だけではなく,好結果が表れていない(=課題がある)場合にも,それを認識させ,学習過程を軌道修正する役割があります。「総括的評価」もただ褒めるだけではありません。課題は課題として指摘し,次の段階を展望させます。――

開始:「片づけを始めたんだね。えらいね。」
途中:「上手に片づけをしているんだね。」
終了:「全部片づけられたね。よくできました。」

こうした評価(言)により,「私はあなた(息子)をしっかり見ていますよ。」「気づいていますよ。」と息子に知らせているのです。また,指示や褒める際は,単に「えらいね」や「いいね」といった抽象的な表現ではなく,具体的に,かつ簡潔明瞭に伝えます。

その他の実践例をもう一つ。制服のシャツをズボンの内側に入れていない時,これまでの私は「シャツが入っていないよ~。」と家事をしながらお約束のように息子に指示をしていました。しかし,これでは指示が息子に伝わりません。なぜならば,息子は「そうか…。シャツが入っていないのか…。」で完結してしまい,「シャツが入っていない」=「シャツを入れないといけない」に結びつかないからです(これも息子の特性です)。その結果,私は 何度も指示を繰り返す羽目になり,仕舞には「何回言ったらやるの?!」と感情的になることが多々あったのです。

そこで,私は息子にそっと近づき,息子と視線を合わせ,シャツを指差してズボンからシャツが出ていることを認識させながら「シャツをズボンの内側に入れましょう。」とやんわりと指示することを試みました。すると,「あらっ! びっくり!!」,冷静で,具体的,かつ,的確な指示により,息子はすんなりとシャツをズボンの内側に入れることができたのです。直ぐ様「シャツがズボンの内側に入っていると,ピシッとしてかっこいいね!!」と褒めました。息子はにこっと嬉しそうな笑みを浮かべ,「できた!!」という誇らしい表情も見せてくれました。

その後,数日は同じように指示と褒めることとを繰り返していましたが,現在に至っては朝の着替えの際にシャツが出ていることはなく,加えて,帰宅時もシャツがズボンの内側にしっかりと入っている状況となりました。したがって,「おっ!! シャツ入っとるね!! かっこいいじゃん!!」と褒めることが多くなったのです。また,家庭だけではなく,学校や放課後等デイサービス,通級,この度通い始めた学童とも連携を図り,息子がどの集団に属していても,一貫して「シャツをズボンの内側に入れること」と指導していただいています。その甲斐あって,「どこでも同じなのだ(=どこでも同じ指導を受けるのだ。=どこでもシャツをズボンの内側に入れないといけないのだ。)」と,息子には認識されるようになったのです。

一部ではありますが,CCQの効果を実感した私は,息子への指示出しについては,当面,この方法を試みてみようと決めたのです。

4 兄妹で一緒に取り組む

文字をきれいに(丁寧に)書く認識を持たせるため,「文字はゆっくりていねいに書きます。」と息子に指示してきました。「文字を見れば,その人がどのような人なのか分かる」など,きれいに(丁寧に)書く理由も説明しました。急に,何もかもうまくいくことはないので,目標に取り組む息子も,指示を出す私も忍耐の日々です。

小学2年生に進級してすぐに設けていただいた面談で,家庭で息子の連絡帳を確認する際に,私も一緒に丸つけやご褒美スタンプを押すことができるよう担任の先生にお願いしました。しかし,あまり効果が見られず,何かもう一工夫必要だなと思っていました。

そんな時,ふと思い出したのが「野々内あんざんそろばんスクール」さんのFacebookへの投稿です。塾長の野々内由香利さんは, 塾生に月1回のご褒美として教室にガチャガチャを設置されているのです。

筆者注:野々内由香利様からは,そのご実践を本ブログ記事に掲載させていただく旨の
    ご諒解を賜っております。この場をお借りして,厚くお礼申し上げます。

これなら,息子だけではなく娘も一緒に取り組むことができる!! 是非ともこのシステムを我が家に導入しようとガチャガチャを購入し,加えて,ご褒美シールノートも購入しました。そして,こどもたちと一緒にそれぞれ目標を3つ考え,また新たなトークンシステムに取り組む準備を整えました。

兄妹それぞれのトークンシステム(目標)
息子と娘の目標(トークンシステム)
トークンシステムにしようするご褒美シールノート
ご褒美シールノート
家庭に設置できる小さなガチャガチャ
自宅用に購入したガチャガチャ

5 新たなトークンシステムを活用した「自己評価」・「他者評価」の効果

息子と娘,それぞれの目標を記入した用紙(上掲写真:「息子と娘の目標(トークンシステム)」)を作成し,いつも目に付くリビングの壁に貼り付けました。これまでは,息子だけが取り組んでいたトークンシステムですが,今回から娘も一緒に取り組みます。

息子と娘それぞれの目標は,次のとおりです。

《息子の目標》

  • 字をていねいに書く
  • やることがさき(スケジュール)
  • だいじなやくそく
筆者注:「だいじなやくそく」の詳細については,次の「関連ブログ記事」をご覧くだ
    さい。

【関連ブログ記事】
「自閉スペクトラム症である息子本人が障がいを受容したとき」(住本小夜子,BLOG「鍛地頭-tanjito-」,2018.10.19)

《娘の目標》

  • あいさつをする
  • おてつだい
  • のこさずたべる

仕組みは,

1 日ごと(就寝前)にできたかどうかを自己及び他者評価。目標をクリアしていたら,それぞれの項目に「☆(星)シール」を貼る。
2 その日の目標を3つ達成できていたら,はらぺこあおむしの「ご褒美シール」を専用のノートに1枚貼る。
3 「ご褒美シール」が3枚貯まったら,ガチャガチャ1回。

評価については,自分で自分を評価(自己評価)するとともに,息子と娘がお互いを評価(他者評価)し,最後に私が息子と娘の自己評価と他者評価とを見て,最終的な評価を行います。

ガチャガチャの中身(ご褒美)は,事前にこどもたちと話し合って決めました。自分がしてほしいこと,(家族等で)一緒にやりたいことを中心に考えました。例えば,「ままごと15分」「スペシャルタイム15分※2」「ドーナツを買ってもらう」などで,中には「こちょこちょ(くすぐり)タイム15分」(こどもたちからの要望で,スキンシップです(笑))というものがあります。とにかく,息子と娘にとって楽しいことや嬉しいこと,わくわくすることをご褒美としました。

このトークンシステムを始めて息子に起きた変化は大別して2点あります。

1点目は,この新たな取り組みの発端となった「字をていねいに書く」という目標を自分で決めたことにより,宿題や連絡ノートも「ゆっくりていねいに書く」ことを意識できるようになったのです。 担任の先生からも,「(学校の授業で使用しているノートが)少しずつではありますが,きれいに(丁寧に)書けるようになってきていますよ。」と,嬉しいご連絡をいただきました。

2点目は,ずっと取り組んできた「スケジュールボード」をほぼ使用しなくなったことです。朝の支度については,スケジュールボードを見なくても,登校時間に間に合うように自分で危機感(時間感覚)を持てるようになりました。ペアレント・トレーニングを取り入れた指示やことば掛けは必要ですが,それは最小限に抑えられています。下手に「ああしよう」「こうしよう」と指示をするよりも,「ここだ!!」というところだけ指示を出す方が意外とスムーズに事が進み,お互いのストレスも軽減されるようになりました。

自閉スペクトラム症の特性(筆跡)経過
学校の連絡ノート

娘についても,大きく2つの成長が見られました。

1つ目は,より自発的にお手伝いをするようになったこと。お手伝いをするために,朝の支度や帰宅時の片づけ及び翌日の準備をさっと済ませ,「母ちゃん,何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてくれる機会が増えました。

2つ目は,チャレンジ精神が育ったことです。特に,食事に関しては,「苦手だな…。」と食べず嫌いが多かったのですが,「半分食べてみる!!」と自ら口に入れるようになり,「母ちゃん見て!!」とピカピカになったお皿を意気揚々と見せてくれるようになりました。

こうした兄妹の成果は「トークンシステム」そのものの効果と述べるよりも,――無論,「トークンシステム」に効果がないわけではないのですが,――「自己評価」と 兄妹に私を加えた 「他者評価」との効果が大きかったように考えます。まず「自己評価」によって,家族の前で目標に照らし合わせながら自己の言動を言葉(音声言語)にして振り返ります。その後で 「他者評価」を受けるわけです。「自己評価」によって「できたこと」を「他者評価」によって「できたね。」と褒められる(認められる)よりも,「自己評価」によって自らが課題だと考えていた点を「他者評価」によって指摘される方が,「やっぱり,そうか!!」と心に響いて残るようです。――これは大人でも同様ですよね。――自らの視点だけによる振り返りでは課題の〈相対化〉に自信が持てなくても,他者の視点を拝借して,少しでも多角的・多面的に同一の課題を捉えられれば,自信は確信へと変わっていくものです。こうした課題の認識が目標に向かう小さなゴール(下位目標)を定める契機となります。

また,兄が妹の,妹が兄の,それぞれの具体的な目標は異なると雖(いえど)も,目標に向かって努力する姿を目の当たりにすることは,自らを鼓舞するエネルギーとなったようです。

「僕/私も頑張らないと。お兄ちゃんが/妹が頑張っている!!」

こうした兄妹の関係性は,塾長がよく口にする「生徒指導の三機能」の一つ「共感的人間関係」に通底するもののように思えます。

6 次のステップに向かって

この記事を書きながら,ふと気づいたことが1つありました。それは,こどもだけではなく,私も一緒にトークンシステムに取り組むことです。家族みんなで取り組めば,より一層大きな効果が得られるかもしれないし,これまで気づかなかったことも見えてくるかもしれない。「思い立ったらすぐ行動!!」ということで私のトークンシステムも追加した次第です。

《私の目標》

  • えがお
  • だっこ:こどもたちとのスキンシップを大切にするということ。
  • お話:こどもたちとのコミュニケーションを大切にするということ。

私も加わったトークンシステムの結果については,追ってブログ記事に認(したた)めたいと思います。

家族それぞれのトークンシステム(目標)
親子で取り組むトークンシステム

さて,我が家に採り入れたペアレント・トレーニングですが,そのプログラムを,そのプログラムに対する一般的な解釈のまま採り入れていたわけではないのです。ペアレント・トレーニングそのものと述べるよりも,その採用には課題があるのです。

ペアレント・トレーニングは,「褒める」ことが大前提となっています。すなわち,一般的には「叱ってはいけない」と捉えられているということです。ペアレント・トレーニングを勉強された方ならば必ずと言って良いほど直面する,「何があっても叱ってはいけないのか?」という課題です。

住本家の「家庭の教育方針」には,息子が生まれてから徹底して指導している項目があります。

1 自他共に傷つける行為(暴力・悪口など)
2 物事の順序(列の順番など)を守らないこと
3 (出してはいけないところで)大きな声を出すこと
4 大人の指導を無視すること

これらの項目を設定した背景には「道徳教育」があります。

どう‐とく〔ダウ‐〕【道徳】
1 人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わねばならない規範の総体。外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働く。

2 小・中学校の教科の一。生命を大切にする心や善悪の判断などを学ぶもの。昭和33年(1958)に教科外活動の一つとして教育課程に設けられ、平成27年(2015)学習指導要領の改正に伴い「特別の教科」となった。

3 《道と徳を説くところから》老子の学。

デジタル大辞泉の解説,コトバンク(2019.6.17 アクセス)

この道徳については,幼児期からのしっかりとした指導・教育が必要です。なぜならば,幼いころに指導・教育されたことは,当該のこどもの成長に多大な影響を及ぼすからです。

「(身体的及び心理的な)暴力を(幼少期から)許し続けてしまったら,(大人になっても,身体的及び心理的な)暴力で解決することしかできない。」

「(幼少期から)物事の順序を守ることができなければ,(大人になっても)どこにいても秩序を乱してしまう。」

この世には,「(これも最近塾長がよく口にする)物心二元論の残滓としての自我中心主義」を地で行く数多くの手法としての「育児」や「教育」と呼ばれるものがありますが,いずれの手法においても「道徳(性)」を抜きに語れば,それは〈育児〉や〈教育〉ではなくなってしまうのです。他のこどもに暴力を振るう我が子を指導しない/指導できない/「のびのびと育てる」というスローガンを掲げ,「いけませんよ。」と軽く注意を促す程度の様態を「育児」や「教育」と呼ぶ有様は,最早〈育児〉や〈教育〉を取り沙汰する次元にはなく,蛮行に加担する〈蛮行〉でしかありません。

我が国の教育は,教育基本法第1条に示されているとおり「人格の完成を目指し,平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われ」るものである。人格の完成及び国民の育成の基盤となるものが道徳性であり,その道徳性を育てることが学校教育における道徳教育の使命である。平成25年12月の「道徳教育の充実に関する懇談会」報告では,道徳教育について「自立した一人の人間として人生を他者とともにより良く生きる人格を形成することを目指すもの」と述べられている。道徳教育においては,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を前提に,人が互いに尊重し協働して社会を形作っていく上で共通に求められるルールやマナーを学び,規範意識などを育むとともに,人としてよりよく生きる上で大切なものとは何か,自分はどのように生きるべきかなどについて,時には悩み,葛藤しつつ,考えを深め,自らの生き方を育んでいくことが求められる。

小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編,文部科学省,平成29年7月,p.1(2019.6.17 アクセス)…b

道徳的価値について自分との関わりも含めて理解し,それに基づいて内省し,多面的・多角的に考え,判断する能力,道徳的心情,道徳的行為を行うための意欲や態度を育てるという趣旨を明確化するため,従前の「道徳的価値の自覚及び自己の生き方についての考えを深め」ることを,学習活動を具体化して「道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習」と改めた。さらに,これらを通じて,よりよく生きていくための資質・能力を培うという趣旨を明確化するため,従前の「道徳的実践力を育成する」ことを,具体的に,「道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる」と改めた。

前掲書b,pp.4-5(2019.6.17 アクセス)

こどもが幼い頃から普段の日常生活の中で,最も近くに存在する保護者が〈指導・教育〉すること,それが道徳性を身に付ける上で大切な根幹ではないでしょうか。「(道徳性は)幼稚園や学校といった集団生活の場で身に付くものだから。」と,つまり,先生に任せておけば良いと言わんばかりに,こどもの近くに存在する保護者が傲岸不遜(ごうがんふそん)な態度でいると,最大の被害者となり得るのは, 幼少期に当該のこどもたちを取り巻く環境下で,大人たちから何も教わらなかった故に,集団生活の中で狼狽(うろた)えるしかないこどもたちなのです。

こうした考え方を下敷きにして,批判的思考法(クリティカルシンキング)※3でもってペアレント・トレーニングを俯瞰するとき,そこには「個-集団」の図式が検証軸として浮上してきます。「個」とは「こども―保護者」関係を,「集団」とは「こども∈(保護者を除く)他者世界(こどもたちが帰属するそれぞれの集団,例えば,保育所,幼稚園,学校,学習塾,スポーツ少年団など)」を意味します。

これらの連関性をペアレント・トレーニングに当て嵌めてみると,ペアレント・トレーニングは主に(直截的には)「個」の連関性の枠組みにあると言えます。換言すれば,ペアレント・トレーニングは(直截的には)「こども∈他者世界」の範疇外に位置するトレーニングであることになります。ただし,当塾としては「「個」/「こども∈他者世界」」の構図で描く二項対立的な関係性ではなく,「こども∈他者世界」を意識した「個」のトレーニングとしてペアレント・トレーニングを捉えるべきだと考えています。平たく述べれば,我が家だけの家庭等の教育(以下,「家庭等教育」と表記します。「家庭等」と表現する理由は,「家庭」ではないが,「家庭」に相応する環境で育つこどももいるからです。)を意識し行うのではなく,こどもが様々に所属する家庭等外の集団性(生活)を意識した家庭等教育を行わなければならない,すなわち,家庭等の中だけでこどもを「良い子」にしてしまえば,家庭等外ではどうでも良い(他人任せ)という家庭等教育を行ってはならないと考えているのです。

ですが,現実はそうではありません。ペアレント・トレーニングを経験された多くの方が 「何があっても叱ってはいけないのか?」 との疑問をお持ちになることが顕著な左證(さしょう)で,ペアレント・トレーニングの講習を受けられた方は無意識裡に 「「個」/「こども∈他者世界」」の構図で描く二項対立的な関係性に気づかれており, 「こども∈他者世界」」の必要性を痛感しながらも,「個」の連関性が(結果的に)強調されるペアレント・トレーニングの「語り」によって,自らの意識を「個」に強引にも向けなければならないジレンマを感じておられるのです。ただし,こうしたジレンマはペアレント・トレーニングの講習を受けられた方のそれぞれが心の裡に抱かれている感情であって,表向きにはペアレント・トレーニングの「語り」とその講習を受けられる方の「語り」によって生産される「何があっても叱ってはいけない。」(=ペアレント・トレーニングの「語り」とその講習を受けられた方の「語り」とがそれぞれ予期せぬところで醸成した〈語り〉)が作り出した〈叱ってはいけない言説〉の権威性に服従してしまっているということが本当のところなのでしょう。そして,そうした〈言説〉がペアレント・トレーニングだけではなく,巷間に流布しているのが現状です。

筆者注:なぜこのような「家庭等外ではどうでも良い(他人任せ)という家庭等教育(我
    が子・家等だけ良ければ良い家庭等教育)」が行われたり,「〈叱ってはいけな
    い言説〉」が生成されたり,流布したりするのか,これらの理由については,後
    日,塾長がブログでお示しいたします。

こどもは決して家庭等の中だけで育つものではありません。それは全ての大人が首肯(しゅこう)されることです。こどもは発達段階を逐次経ながら,それぞれ種々の集団に所属し成長していきます。ですから,家庭等での〈個の教育〉と〈集団での教育〉は1本の水脈のごとく連動しており,決して分断されるものではありません。仮に,分断が是であるならば,こどもたちの発達段階は中途で分断されることになるでしょう。それでは人格形成を成し得ません。〈個のアイデンティティー〉など育つはずがないのです。

だからこそ,各家庭等で行う〈家庭等教育〉はその先に必ず行われる〈集団での教育〉を想定(意識化)したものでなければならず,〈家庭等教育〉と〈集団での教育〉との均衡(バランス)を考えた《教育》が重要であり,必要であると言えるのです。

1 集団指導と個別指導の意義
 集団指導と個別指導については、集団指導を通して個を育成し、個の成長が集団を発展させるという相互作用により、児童生徒の力を最大限に伸ばすことができるという指導原理があります。
 そのためには、教員は児童生徒を十分に理解するとともに、教員間で指導についての共通理解を図ることが必要です。
 なお、集団指導と個別指導のどちらにおいても、①「成長を促す指導」、②「予防的指導」、③「課題解決的指導」の三つの目的に分けることができます(図表1-4-1参照)

第4節 集団指導・個別指導の方法原理:1 集団指導と個別指導の意義,生徒指導提要,文部科学省,平成22年3月,p.14(2019.06.18 アクセス,下線は筆者が施しました(以下,同様))…c

(1)集団指導と個別指導のバランス
 教育の原点は、端的に言うと、一人一人の児童生徒の「生きる力」を伸ばすことです。
 このことについては、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。」(教育基本法第1条)や「個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる。」(教育振興基本計画)からも明らかなことです。そして、一人一人の児童生徒の個性を大切にして、「生きる力」を伸ばすために働きかけをすることが生徒指導です。
 学校の教育活動において、一人一人の児童生徒の生きる力を伸ばすためには、集団指導と個別指導の両方が必要です。 「学校は社会の縮図である」と言われます。多様な他者とともに、よりよい生活や人間関係を築こうとする態度や基本的な生活習慣の確立、また、公共の精神など社会生活をおくる上で必要な力は、集団での活動を通してこそ伸ばすことができます。換言すると、人は集団や社会とのかかわりを欠いては、様々な問題を解決する力を得ることはできないということです。このことから、教員は児童生徒に発達の段階に応じて、段階的に社会的存在としての人間の「私」性の側面のみならず、「公」性をも併せ持っていることを意識させることが重要です。

前掲書c,p.15 (2019.06.18 アクセス )

上記の引用は,学校教育のフレームの中で語られたものではありますが,「個別指導―集団指導」の教育観は,先述の「〈個の教育〉―〈集団での教育〉」の教育観とほぼ通底していると言って過言ではありません。そして,ここで留意しておかなければならないことは,両者の教育観は決して「個別指導/集団指導」,「〈個の教育〉/〈集団での教育〉」と二項対立的な思考性を有していないということです。「バランス」なる言表に表象化されているように,それぞれの「項」は共時性・相互補完性を保つ,持続可能な〈教育〉であるということを肝に銘じておかなければならないのです。

ですから,我が家では,一般的なペアレント・トレーニングをそのまま取り入れるのではなく,それを改造して〈我が家流のペアレント・トレーニング〉を実施しているというのが本当のところなのです。

〈我が家流のペアレント・トレーニング〉を支える考え方等

  • 「道徳教育」を基底にしている。
  • 「〈個の教育〉―〈集団での教育〉」の教育観 に根付いている。
  • 「鍛地頭-tanjito-」の〈ガイダンス・カウンセリング〉(=「教育学」と「心理学」からのアプローチ)の考え方を採り入れている。

【関連ブログ記事】
「塾長の述懐 第6回(2019.4.21(Sun.))」(小桝雅典,BLOG「鍛地頭-tanjito-」,2019.4.23)

要するに,「こども―保護者」間及びその場のみのコミュニケーションにとどまらず,こどもの将来を見据えた持続可能な〈育児・教育支援〉というわけです。


世のこどもたちの健全な成長・発達を願い,その支援をより良いものにするため,現在,私は発達心理学,教育心理学,行動科学,神経発達症などについて学んでおり,大学や公開講座等に積極的に出席・参加し,多角的・多面的に様々な知識をインプットしています。このような学びを〈生きた知識〉として息子と娘にだけアウトプットするのではなく,育児・家庭療育・学校生活等で悩み,困惑しておられる皆様方にもアウトプットしたいと願っております。そのため,〈我が家流のペアレント・トレーニング〉を当塾で講座化するなど,〈新たな学び〉と〈新たな実践〉を生かした〈新たな活動〉を展開していこうと地道に準備を進めているところなのです。

こどもの明るい未来には,保護者の存在が大きく関与しています。私たち大人がどのようにこどもたちと接しかかわっていくのかは,これまで同様に大きな課題です。それを解決していくためには,私たちを取り巻く環境や時代の変化を心身に受け留めながら,「古(いにしえ)から受け継ぐもの」と「新たに取り入れていくもの」との相互性を見極めることが必要になっていくと,私は考えています。〈教育の不易流行〉を考える時期が,まさに今,到来しているのです。

【〈教育の不易流行〉についての関連ブログ記事】
「教員採用試験合格道場―オンライン教員養成私塾「鍛地頭-tanjito-」」(鍛地頭-tanjito-)


※1 「無視」について,前掲書a(p.61)には次のようにあります。「大切なのは子どもの「行動」を無視するということです。決して子どもの「存在そのもの」を無視するのではありませんし,感情的になって子どもに罰を与えていることとも違います。これは,好ましくない行動を減らすための効果的な技術(スキル)なのです。」このように,ペアレント・トレーニングで述べる「無視」は大人の感情的な「無視」とは異なり,「子どもの「存在そのもの」」を無視するものではありません。ただし,いくらトレーニング(方法)としての「無視」だからと言っても,こどもの中には,仮にこども自身がその「無視」を「トレーニング(方法)としての「無視」」と理性の上では理解していても,感情的には理解できないというこどももおり,「トレーニング(方法)としての「無視」」を行うことで,「こども-大人」関係に罅が入る場合があることを指摘しておかなければなりません。――この指摘は当塾の約30年近くに及ぶ教育実践から行うものです。

※2 「「スペシャルタイム」とは,保護者と二人きりで,子どもが好きなことをして遊べる時間のことです。スペシャルタイムの間,遊びの主導権は子どもにあります。保護者は受容的に,非指示的に子どもにかかわります。」(前掲書a,pp.45-47)

※3 「物事や情報を無批判に受け入れるのではなく,多様な角度から検討し,論理的・客観的に理解すること。批判的思考法。 」(コトバンク:クリティカルシンキング(英語表記)critical thinking,デジタル大辞泉の解説,クリティカル‐シンキング(critical thinking),出典 小学館

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