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塾長の述懐 第16回 〈ホンモノの教員〉の〈生徒指導〉

システム思考による閃きを中央に宿した脳の断面とパソコンのディスプレイ(青色背景) 塾長の述懐
システム思考と脳作用
この記事は約14分で読めます。

本ブログは当塾のLINE Openchat「教員採用試験対策講座」の筆者による「朝のご挨拶(トーク)」と「終わりのご挨拶(トーク)」を採録し,簡易な補足説明を追記したものです。したがって,オーラルな言述を旨としているため,口語・スラング的な表現,文脈の乱れ・省略及び戯言(笑)がございますことをご海容ください。

なお,今回採り上げた話材は「〈ホンモノの教員〉が行う〈生徒指導〉」であり,筆者の生徒指導観を恣意的に言述したものです。予めご承知おきください。

 1 プロローグ

当LINE Openchat「教員採用試験対策講座」はトークルームの名称のとおり,そのトークの目的を教員採用候補者選考(通称,教員採用試験,以下「教採」と表記する。)対策に置いています。中でも,昨今頻出となった「場面指導」[1] … Continue readingを日々のトークテーマの中心に据え,半ばバーチャルリアリティーの教採対策教室を無料で展開しているのです。

午前10時00分から午後10時00分までの教採対策教室の中で,筆者は毎回午前10時00分に「朝のご挨拶(トーク)」を,午後10時00分には「終わりのご挨拶(トーク)」をトークルームに集う現在45名[2]令和2(2020)年1月12日現在。筆者を除く。のメンバーにさせていただいています。

ご挨拶の内容
  • 朝のご挨拶:トークテーマの提示,最新教育時事情報の提供,所感
  • 終わりのご挨拶:トークテーマのまとめ,所感

令和2(2020)年を迎え,1月10日からあるメンバーの方からのご要望に応じて,「朝のご挨拶」は教育法規(スクールコンプライアンス)について出題する場,「終わりのご挨拶」は従来のトークテーマの解説に加え,「朝のご挨拶」で出題した教育法規に関する問題の解答・解説の場となりました。それまでとは雰囲気を異にするスタートとゴールです。

本ブログで採り上げるテーマは,それ以前の1月8日分に当たります。

徒然なるままにものした自由奔放な「ご挨拶」をお読みいただければ幸いです。
なお,次の左欄がトークルームでの筆者のトーク(引用),右欄が当ブログのための簡易な解説です。

 2 朝のご挨拶ートークテーマの提示ー

皆さん!! おはようございます!
昨日は(いや,「も」)誠に失礼いたしました。
ペアレント・トレーニングを当塾流にアレンジした所謂対人コミュニケーション・トレーニングにかかわるミーティングでしたので,欠席はできず,当トークルームを留守にしてしまいました。

トークの前日,従来のペアレント・トレーニングを当塾がアレンジした「子育てコミュニケーション」にかかわり,或る町興しの団体様とミーティングを持ったため,トークルームを不在にしたのです。


【情報提供】

もう一つの当塾のOpenchat「教育研究の寺小屋」では,本日,「ヘリコプターペアレント」について情報提供を行っています。
👉 Openchat「教育研究の寺小屋」
(https://line.me/ti/g2/045PVtUtl4jsUMly3HVQoA)


【今回のトークテーマ】

学級(ホームルーム)担任をする児童生徒の保護者複数から担任のあなたに要望がありました。

「C君はよく学級(ホームルーム)で他の友達に暴力を振るっています。授業中も立ち歩いたり,教室を飛び出したり,他の友達にちょっかいを出したり。こういう問題のあるこどもを何とかしてください。クラス替えをするとか,転校させるとか。」

あなたならば,このように発言する複数の保護者にどのように連携しますか?

場面指導にかかわる「今回のトークテーマ」を提示しています。トークルームに集うメンバーは,随時,筆者から出題されるトークテーマについて考えることになります。

今回は神経発達症(発達障害)を持つと想定される児童生徒を問題視した当該児童生徒と同じクラスに所属する児童生徒の保護者たちとの連携がテーマです。


【保護者連携(対応)をテーマとする場面指導の考え方】

1 大原則として保護者連携に臨むときの教職員に必要な態度(在り方・考え方)を考える。
2 出題された個別事案をピースに分けて考える。

(例)今回の出題の場合

▶ 「C君はよく学級(ホームルーム)で他の友達に暴力を振るっています。授業中も立ち歩いたり,教室を飛び出したり,他の友達にちょっかいを出したり。」…例えば,「こうした情報を保護者がどこから入手したのか?」と考えてみる。→これって事実なのですかね? 担任だったらC君の状況をよく知っているわけで,事実である場合と事実でない場合との対応は異なってきますよね。

▶ 「こういう問題のあるこどもを何とかしてください。」…例えば,保護者が何を「問題」と述べているのかと考えてみる。(わからなければ,保護者に訊ねるしかないわけで…。しかし,言い方に注意。訊ね方が悪ければ,火に油を注ぐ。)→C君が神経発達症をもつ児童生徒で,保護者達にその理解がない場合にはどのように対応するのか?…などが考えられますよね。「何とかしてください。」の言葉の裏にある保護者達の思いも受け留めないといけないし…。

▶「クラス替えをするとか,転校させるとか。」…一担任の判断で答えられるものではない! しかも,(殆どの場合,年度中に)そんなことできるわけがない。しかし,回答せず,管理職にも報告せず,数日放置して,教育委員会に訴えられた教師もいる。(教育委員会に訴えられないための指導をするようにとは毛頭述べていません。指導は常に乳幼児・児童・生徒に向けられるものです。) さらに,こうした要望によく付き物の教員定番の大失敗回答があるのです。「○○○○します。」と言ってしまう。そして,後日,大炎上する。

さあ,あなたならばどのように回答されますか?
本日のスタートです。

今回のトークテーマに関する考え方を筆者が整理して述べています。本来ならば,こうした「整理」はメンバー間のトークによって行うものです。しかし,トークテーマの数を熟す必要があることから,敢えて筆者が「整理」しました。

「整理」のポイントは「2」にあります。結論から述べると,「個別事案」,すなわち,「個別の教育事象(の対象)」を「ピースに分けて考える」方法は,その思考の底流にデカルトの物心二元論があるのです。現象を分割・分析し,それらの結果を統合して考える考え方で,現代を生きる私たちが17世紀から脈々と受け継いできた思考のフレームです。

今回のトークテーマは「場面指導」としてのより適切な解答を作り上げることも一つの目的ですが,その目的を達成するためにも,上述した「思考のフレーム」を見直すことが一層重要な目的となります。

その点については,「終わりのご挨拶」で明らかにしています。

古代ローマの哲学者を想起させる白い石の彫像群
彫刻(提供 photoAC)

 3 終わりのご挨拶ートークテーマ解決への示唆ー

本章では要らない注釈は省略して,トークルームで筆者が行ったトークテーマについての解説を丸ごと引用いたします。

そろそろ終焉の時間ですね。

本日の朝のご挨拶でトークした「出題された個別事案をピースに分けて考える」方法は,何も教採のためだけのものではありません。

分析的思考ではあるのですが,学校現場でも問題となる状況を把握した際には,瞬時にピースに分け,そこにある課題を抽出し,抽出された課題を統合化しながら,事実全体の構造を損なわないように(ここが難しい),事案の事実を脳内でスクリーン化・ストーリー化し,かつ,並行して,解決策を構造化しながら,保護者等への対応の文言を即座に紡ぎ出す。これが従来の「生徒指導のプロの技」です。

しかし,〈ホンモノのプロの技〉はこうした「分析→統合」の手法は取らない。システム的に問題から解決策までを全体的に捉えます。

実は,〈ホンモノの教員〉・〈ホンモノの生徒指導のプロ〉という者には,問題事案を耳にした瞬間に,「このように対応すべきだ。」という一種の閃きが必ず起こります。ただし,事実の細部を聴かなければならない。誤った事実に基づく判断による閃きだったらいけないから。しかも,それは誤った指導につながるから。だから,事実を報告する他者の話を真剣に細かく聴き取ります。

それだけ,経験や経験知を含む引き出しをたくさん持っていて,つまり,「児童生徒をより良くするのだ。」との熱き〈教育愛〉を持って,数々の問題解決の場に自ら率先して立ち,他の教職員と協働しながらドラスティックな実践を行ってきているから,問題抽出から解決策の構造化まで瞬時にストリーミングできるのです。

デカルト二元論による分析・統合型の生徒指導は「生徒指導のプロ」のレベル。
システム思考による総合型の生徒指導は〈ホンモノの生徒指導のプロ〉のレベル。

後者が〈ホンモノの教員〉の一側面です。

それにしても,「教職員賠償責任保険(共済)」がある時代……
なんてこった。💦


【次回のトークテーマ】

あなたが顧問を務める部活動中,Aさんが骨折をしてしまいました。その件にかかわり,Aさんの保護者がAさんの治療費及び通院のためのタクシー代をあなたに請求してきました。Aさんも請求の事実を知っています。あなたはAさん及びその保護者にどのように対応しますか?

夢物語のトークテーマではありません。現実に生起している出来事です。

それでは,明日が皆様にとって素敵な1日でありますように。
おやすみなさい。

(令和2(2020)年1月11日脱稿)

 追記

上記の引用をトークした同日,当塾LINE Openchat「教育研究の寺小屋」でトークした内容を次に引用します。その引用を併せてお読みいただくことで,上記の引用の主旨が一層鮮明になるのではないかと考えるからです。


《朝のご挨拶》

皆さん!! おはようございます!
昨日は(いや,「も」)誠に失礼いたしました。

ペアレント・トレーニングを当塾流にアレンジした所謂対人コミュニケーション・トレーニングにかかわるミーティングでしたので,欠席はできず,当トークルームを留守にしてしまいました。

さて,既に御存知の方も多いと思います。今日は「ヘリコプター・ペアレント」についての記事を情報提供しておきます。

【関連情報】
「「ヘリコプターペアレント」とは? 生きづらい子どもに育つ親の存在」「ヘリコプターペアレント」という言葉を聞いたことがありますか。」(HUFFPOST,2017年06月16日 23時29分 JST | 更新 2017年06月17日 15時08分 JST)
https://www.huffingtonpost.jp/marcia-sirota/helicopter-parents_b_17170584.html

「保護者対応が嫌だから先生にはなりません。」
結構,多い理由のようです。

「校長先生,私,保護者対応は一切しませんから!」
現実に眼前で聴いた若い女性教諭の言葉です。
(因みに,「校長先生」は私ではありません。私は「校長先生」にとってのお客でした。)

論理が飛躍して聞こえるかもしれませんが,こうした人たちの「業務」って何でしょうね? また,「教育」って何なのでしょう? 具体的な付帯状況を示さないで,このような質問をするのも,皆様に失礼ですけど。

皆様,どのようにお考えになりますか?

因みに,記事の中には,「子供を愛すること」の件(くだり)が出て来ます。それに関連した当塾のブログがございますので,よろしければ,ご一読ください。当塾の中では,最も多くの読者の方々にお読みいただいているブログです。

【関連ブログ】
「こどもを〈愛する〉ということ―障がい受容に視点を据えて―」(住本小夜子,BLOG「鍛地頭-tanjito-」,019.9.29)
https://wordpress.tanjito.ne.jp/?p=6034

今日もスタートです!!


《お昼の情報提供》

情報提供です。
もうご存知かも…。

「文科省「令和3年度からの大学入試サイト」を開設」(ReseMom,2020.1.6 Mon 11:45)
https://resemom.jp/article/2020/01/06/54090.html


情報提供です。
(この情報提供はOpenchat教員採用試験対策講座及び教育研究の寺小屋共通です。)

内田樹氏の読み応えのあるブログをご紹介します。

「国語教育」の「論理国語」を媒材に「論理とは?」を分かりやすく解説してあります。

「国語教育について」(内田樹,BLOGOS,2020年01月06日 14:56)
https://blogos.com/article/427761/?p=1

私はこの長文のブログを読みながら,「論理」を語る主題から離れて,次のようなことを考えながら読みました。(勿論,内田氏のおっしゃる「論理とは?」についても考え,「勉強になりました。」と思いました。)

▶ 生徒指導のプロ,否,〈ホンモノの教員〉の一側面が語られている。:この点は当塾のOpenchat「教員採用試験対策講座」で今夜語ろうとしている内容と通底しています。;そう感じた箇所=「断片的に散乱している事象の背後に、きれいな1本のストーリーが見えたと感じたときに探偵が感じる達成感」(本文より)及びそれ以降に言述される言表群

▶ やはり,日々,勉強をしていれば,セレンディピティー(serendipity)は起こる。:ブログ中にレヴィ=ストロースの話が出て来る。私は,昨今,深夜から朝方に掛けて,レヴィ=ストロースの哲学書を繙いている。だから,内田氏のブログの内容が余計にでもよく分かった。

▶ 私の大学院時代からの研究テーマ,大人を含め,学校教育で身に付けさせなければならない学力は〈相対化能力〉(私の造語)であるということを再認識できた。:内田氏は〈相対化能力〉とは呼んでいない。「子供たちに学校教育を通じて何を教えようとしているのか。もし、子供たちの中で知性が活発に働くことを教えようとしているのだとしたら、子供たちに教えるべきことは「知性はジャンプする」ということだと僕は思います。」と氏は言述する。その「知性のジャンプ」は〈相対化能力〉と通底する概念だと考える。

ますます精進していきましょう。
乳幼児・児童・生徒のために。


《終わりのご挨拶》

そろそろ本日も終焉の時間ですね。
本日は内田氏のブログを情報提供しました。

氏はテーマを意図的に「論理」に絞られていたと思います。というのは,「知性のジャンプ」には,時代のパラダイムやイデオロギーを〈相対化〉する能力が必ず必要だと思いますから。「勇気」を持って飛び立つ踏み台はエピステーメー(思考の台座)であり,それはパラダイムとか,イデオロギーとかと呼ばれるものだからです。だから,「知性のジャンプ」を考えるには「知性のジャンプーパラダイム・イデオロギー」連関は抜きにできないわけで,でも,そこを語っちゃったらややこしくなるから絞られたのだろうと…。

もう一つのOpenchat「教員採用試験対策講座」でも述べたのですが,現役時代に,長年,生徒指導に携わってきて思うことは,生徒指導上の問題行動等についてどのように対応したらよいのかというご質問を数多くの校長先生方や同じ学校の同僚から受け続け,ご回答申し上げる中で,「実際に脳内に起きているのは「結論が先」なんです。いきなりアイディアが浮かぶ。どうしてその結論に自分は立ち至ったのか、何を見て、私はそう思ったのか、・・・というふうに時間を遡って、自分が着目した断片的事実を列挙してゆく。」(前掲ブログの本文)ように,自分自身がなっていったなあということです。

第1段階:問題行動の概略を聴く。=「いきなりアイディアが浮かぶ」
第2段階:細々とした問題行動の経緯を聴く。=「時間を遡って、自分が着目した断片的事実を列挙してゆく」

ということなのです。

「でも、自分がどうしてそういう結論に達したのか、自分は何を「見た」のか、それは時間をかけないと言えない。」(同上)という気持ちもよく分かる。

つまり,デカルト二元論の思考性ではないのですよ。問題行動の事象を分析し,その結果を統合するやり方(生徒指導)ではない。このやり方で行くと,統合の段階で失敗してしまうことが多々起こる。(つまり,誤った指導をしてしまう。)学問の世界でも全体→分解(分析)→元の全体に統合不可能が証明されているのです。

要するに,システム思考で問題行動を捉えないと,的確な指導はできないということです。だから,そうした指導性には論理性が宿るのです。極論すれば,教育界の常識と思われている生徒指導があるけど,そこからジャンプしないと,乳幼児・児童・生徒たちの抱える課題(問題)をホントウの意味で解決の方向に持って行けないわけです。

今日,私は自らの現役時代の実践を〈相対化〉しながら,そういうことを《相対化》したのです。

内田氏に感謝です。はい。

それでは,明日が皆様にとって素敵な1日でありますように。
おやすみなさい。

上記引用中の関連記事等

追記:令和2(2020)年1月12日

© 2020 「鍛地頭-tanjito-」


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