テーマ
事前指導計画の作成を求められた,
それは教員としての総合力が試されるとき!!
スクールコンプライアンス演習
出題
問 次の学校教育法の条文を読み,後の問いに答えなさい。
小学校においては,前条第一項の規定による目標の達成に資するよう,教育指導を行うに当たり,児童の( A )的な学習活動,特に( B )など社会奉仕体験活動,自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとする。この場合において,( C )その他の関係団体及び関係機関との( D )に十分配慮しなければならない。
(1) 上記条文の条番号を答えなさい。
(2) 空欄A~Dに適切な語を補いなさい。
ミニ解説・塾長の述懐
学校教育において体験活動が重視されています。法令に規定されているほどです。ーこういう言い回しはおかしいですけどね。―ただ,対策の方法として,「体験活動ー法令法規ー重要」とだけ暗記するのでは事足りません。なぜ重要なのか? その背景に何があるのか? 体験活動のねらいは? どのように種別化されるのか? どの指導のコンテクストでどの形態の体験活動を組織するのか? などを理解しなければ,プロとして学校現場では通用しないのです。
因みに,体験活動にかかわり社会教育の領野に関連法令として,社会教育法第3条第3項及び第5条第14号があります。必ず条文に当たっておきましょう。それらの条文には本ページで出題している「今回のトークテーマ」を考える上でのヒントがあります。条文に当たるとどこかで良いことがあるものです。
場面指導等
出題
総合的な学習(探究)の時間に実施する「老人福祉施設訪問」の学習活動に係る指導計画を作成するように求められました。あなたはどのように対応しますか?
ミニ解説・塾長の述懐
場面指導の出題というものは,抑々,受験主体の教員としての総合力を査定するものです。就中,本出題は一層「総合力」が試されていると言って過言ではないでしょう。「対応」の視点は数多ありますから。その「視点」は教員採用候補者選考(以下,「教採」と表記)の面接選考等の出題に解答するだけではなく,学校現場において実働する〈視点〉となります。
学習指導(総合的な学習(探究)の時間及びキャリア教育のねらい,学力の三要素,つまり学習指導要領が目指す資質・能力……),生徒指導,人権教育,特別支援教育並びに(受験主体の)学習指導案を作成する能力,協働性・組織性,異校種との連携に係る能力,事務処理能力及び人間関係形成・社会形成能力……など枚挙に遑がありません。
これらは本出題に解答する際に関与してくる領野を挙例したものです。教採に話を戻せば,解答としてこれらの領野の一部しか語ることができないとすれば……受験主体がどの領野に傾注して対策してきたかといったことなども推察できる出題でしょうね。
しかも,総合的な学習(探究)の時間は総合的な学習(探究)の時間だけの対策(試験勉強),特別支援教育は特別支援教育だけの対策(試験勉強)などと分化型・暗記型の対策しか行っていなければ,面接本番で受験主体本人は解答できたと思っていても,解答の「視点」(=ポイント)が欠損していると思われるのではないでしょうかね……。学習指導要領が求める知(識)の統合化に係る資質・能力は「これからの時代に求められる教員の資質・能力」でもあるわけです。つまり,分化型・暗記型だけの対策を行うこと自体,その資質・能力を失しているということになります。
本出題は本出題にかかわるこれらの領野の内容を統合化するところにポイントがあります。
さて,前述の領野をうまくつなぎ合わせて,コンパクトに解答するとなると,かなりの表現力が求められます。そのようなところも出題の意図にあるのかもしれません。
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