本ブログは当私塾のメールマガジンとして書き下ろしたものです。
通常はご登録を頂いた方のみに公開しています。
今回は新春お年玉企画として,本メルマガに限り,一般公開することと致しました。
是非お楽しみください。
1 プロローグ
「暴力行為への対応」の第2弾です。
教員採用候補者選考(以後,「教採」と表記)でよく出題されている生徒指導関係の資料と言えば,『生徒指導提要』(以下,『提要』又はaと表記)ですね。管見による限り,本県・市(広島県・広島市)のようにかつて全く出題されていない地方自治体もあるようですが。本県・市の場合には,出題されない理由を揣摩臆測することが可能です。しかし,それは,今回の本来の目的ではないため,ここでは言及致しません。
これも管見によるのですが,前回から採り上げている「暴力行為」は『提要』の「第6章(Ⅱ 第5節)」に所収されていて,教採での扱いは,全国的に結構「お・も・て・な・し」を受けている(笑),つまり,出題率は比較的高い(全8章中3番手くらいの)ようです。[1]参考:『教員養成セミナー 12月号 特集1 「生徒指導」の資料を知ってますか?』(時事通信出版局 教育事業部,p.8)
特に,第6章の中でも「Ⅱ 個別の課題を抱える児童生徒への指導」は「Ⅰ 児童生徒への指導」よりも出題率が高いようです。[2]註1参照その理由は考えてみれば当たり前で,「Ⅰ」の概論的・理論的な内容に比して,個別の児童生徒への指導における具体的な在り方が課題視されている学校の現場実態があるからです。——「理論的な内容」を軽視するようにと決して述べてはおりません。——複雑な要因が絡み合った児童生徒,保護者,家庭及び地域社会等が抱える,解決が難化した複合的な諸問題並びに教職員の資質・能力(生徒指導力)の低下等がその実態の具体的な様相を物語っています。
本メルマガにおいて「暴力行為への対応」を採り上げる所以は,こうした背景があるからなのです。
就中,今回は暴力行為の予防に関する基本的な考え方について述べます。暴力行為が起きてからでは遅い。未然防止の視点は,暴力行為のみならず,生徒指導上とても大切な視点なのです。
2 暴力行為の未然防止に関する基本的な考え方
(1) 暴力行為への指導
暴力行為への指導に際して,教職員が有しておかなければならない考え方(認識)を整理して示します。
(左欄:『提要』及び『生徒指導のてびき[改訂版]』(広島県教育委員会,平成22年3月,以下『てびき』又はbと表記)の記述/右欄:塾長のミニ解説)
暴力行為は,社会において許されない行為であることから,「学校においてもいかなる理由からも認められないし絶対に許されない行為である」と暴力を明確に否定するとともに,「暴力は人権の侵害でもあり人権尊重の精神に反する」との認識を全教職員が共有した上で学校における一致協力した取組が不可欠です。
『提要』:第6章 Ⅱ 個別の課題を抱える児童生徒への指導 第5節 暴力行為,p.170
- 暴力行為の明確な否定:暴力行為に限らず,「社会で許されない行為は,学校においても許されない」のです。(赤字のフレーズは重要な概念です。暗記せよ!!)
- 暴力行為を否定する理由:犯罪(反社会的な)行為である。/暴力で問題は解決しない。/被害者に与える心身の影響は測り知れない。
- 全教職員の共通認識に立った指導の重要性:一人の教職員の認識不足が指導(態勢)体制を崩壊させる。全教職員による多角的・多面的・総合的な指導が重要である。
- 組織的な生徒指導の重要性:「③」と同様。
暴力行為への指導に当たって教員は,問題を起こした児童生徒との信頼関係に配慮した対話を心がけるとともに,暴力が発生した背景と思われる一人一人の資質・性格や生活環境などを把握し,きめ細かく理解した上で,児童生徒の指導や援助に結び付けていく必要があります。
同上
- 対話の重要性:「いけないことはいけない。」と毅然とした態度で丁寧に粘り強く指導しなければなりません。そうした指導を前提として,2度と同様の問題行動を起こさせないために,教職員との対話の中で,当該児童生徒の問題行動時から現在に至るまでの心の動きを俯瞰させ,振り返りと今後の見通しを持たせる必要があります。
- きめ細かな児童生徒理解:児童生徒理解は生徒指導の原点です。全教職員で一人一人の児童生徒について多角的・多面的・総合的に理解することが大切です。人間は総合的な多面体です。一面的な見方ではその人そのものを理解することはできません。システム思考で児童生徒理解を考えることが重要です。
- 協働的な指導及び援助態勢(体制)の構築:一人一人の教職員が「よりよい児童生徒を育てる」との認識の下,協働して指導・援助する組織的な指導体制の確立が重要です。
学校における秩序の破壊や他の児童生徒の学習を妨げる暴力行為に対しては,教職員の毅然とした対応や解決に向けた粘り強い姿勢が求められるとともに,場合によっては出席停止などの措置が必要となることもあります。
同上
- 毅然とした粘り強い指導の必要性:「いけないことはいけない。」と指導し切ることは,とても大事な教職員としての資質・能力です。「いけないことはいけない。」と指導できない教職員の在り方では,問題行動を起こした児童生徒の課題解決が望めません。
- 出席停止:「①」の認識に立ち,他の児童の教育に妨げがあると認める児童生徒があるときには,その保護者に対して,児童生徒の出席停止を命ずる必要があります。なお,その際の決定権者は市町村教育委員会です。👉 学校教育法第35条
重要
ミニ解説
性行不良等のための「出席停止」について規定してある法律は,次のとおりです。とても大切な法律ですから,当塾の「スクールコンプライアンス(豆知識)」で,別途,詳細に解説します。
学校教育法第35条
第三十五条 市町村の教育委員会は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。
一 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
二 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
三 施設又は設備を損壊する行為
四 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
オ 被害者が被害を訴えることは自分を守るだけでなく,より大きな犯罪行為に至ることを防ぐことになり,勇気ある行動であることを日常的に指導します。また,被害を訴えることによって,加害者に過ちを気づかせ,ともに安心して生活を送ることができる社会をつくることにつながることを指導します。
『てびき』:第1部 生徒指導ハンドブック 第2章 問題行動等の指導 4 暴力行為の指導について,p.21
- 被害者が被害を訴える指導:被害を訴える行為は被害児童生徒にとって加害児童生徒からの報復を恐れる最も勇気の必要な行為です。だからこそ,日常的な指導が大切であるとともに,教職員が組織的に一丸となって,被害児童生徒に対し「私たちはあなたを暴力行為から必ず守る。」と言い切れる態度及び指導体制の確立が必要となるのです。
- 被害児童生徒も加害児童生徒も〈守る〉指導:被害を訴える指導は被害児童だけを守る指導ではありません。加害児童生徒に「過ちを気づかせ」,再度同じ行為を行わず,周囲の児童生徒と協同して学校生活を送ることは,全ての児童生徒の安心・安全を守ることであり,無論,加害児童生徒を〈守る〉ことでもあるのです。
イ 学校における暴力行為は,不信感や集団の中で暴力を容認していることや自己の行動に対する責任感の薄さから起こる場合があります。日常的に児童生徒がお互いを尊重し,信頼できる集団をつくっていくことが大切です。
前掲書b,p.20
- 暴力行為と教職員の指導性:学校や教職員に対する児童生徒の不信感や暴力行為を見て見ぬ振りをしたり,戯言・ごっこ遊びなどと看過したり,責任感を養うことを目的としない学級(ホームルーム)経営を継続したりなどする教職員の有様が暴力行為を助長します。
- 絆づくりと居場所づくりの重要性:児童生徒が「絆」をつくります。教職員が「(児童生徒にとっての)居場所」をつくります。教職員主導の「絆」づくりはやらせの可能性があります。[3] … Continue reading
- 教育相談体制の整備:学校内において日常的に児童生徒が悩みや不安を相談できるシステムを構築しておくことが大切です。その際,SC,SSW及び事務職員等を含めた「チーム学校」としての組織体制づくりがまずは重要になります。
(2) 指導体制の確立
ミニ解説
本章で述べる指導体制の確立は未然防止(予防)のステージにあり,暴力行為に限定されたものではなく,生徒指導全般にかかわるものです。その概要を筆者の経験を通して示します。
- 前提:校長のリーダーシップ(副校長・教頭等のサポート)が必要である。
- 生徒指導に係る学校の指導方針・指導方法の策定:例えば,「暴力行為となる内容や程度などを具体的に明示した上で,学校における教育理念や方針に基づいて暴力行為に対する一定の指導基準を明確にする必要」(前掲書a,p.171)がある。
- 学校の指導方針及び指導方法等の共有化:「②」で策定した学校の指導方針及び指導方法等を全教職員の共通認識とする必要がある。そのことは「チーム学校」として学校が目指す児童生徒像の育成に係る基軸を定めることであるとともに,教職員間の指導の温度差[4]指導力のある教職員,そうではない教職員間の実際の指導における質的差異のこと。を埋めることにもつながる。
- 生徒指導規程及び生徒指導対応マニュアルの整備と周知徹底:「生徒指導規程」とは生徒指導にかかわる学校の指導方針及び指導方法等を記した規程集のことである。また,「生徒指導対応マニュアル」とは生徒指導上の諸問題に対して教職員の役割分担,協力体制,家庭・関係諸機関との連携など具体的な対応を記したマニュアルのことである。(以上,「③」の文章化)学校で事前にそれらを定め,教職員での共有化を図った後,児童生徒,保護者及び地域社会等に事あるごとに周知徹底を図ることが重要である。これは学校の指導方針及び指導方法等を児童生徒,保護者及び地域社会等と共有することにねらいがある。
- 教育相談体制等の確立:「1 暴力行為への指導」に既述したとおりである。また,特別な支援を要する児童生徒には「個別の教育支援計画」及び「個別の指導計画」等を作成して校内及び関係諸機関等との連携体制を確立することが求められる。
(3) 多面的・多角的・総合的な児童生徒理解
Q 多面的・多角的・総合的な児童生徒理解を行うには,どのようにすれば良いと考えますか?
ミニ解説
「正解」の記述は『規程』からの引用です。
【引用箇所】
第6章 Ⅱ 個別の課題を抱える児童生徒への指導 第5節 暴力行為 1 暴力行為の予防に向けた取組 (3) 多面的・客観的な個別理解,p.171
表象上の世界から言えば,確かに「正解」なのでしょう。しかし,次のことが理解されていますか?
如何ですか? ご自身の言葉で即答できましたか?
「正解」だけを読むと,何だかわかったような気分がするのですが,挙例した「自覚のなかった疑問?」に即答できなかった方は十分に理解しているとは言い難いですよ。表層だけで指導をしてしまう教職員になってしまいますよ。常にそうした在り方ならば,児童生徒や保護者等から〈ホンモノの信頼〉は得られません。
面接試験(場面指導)では,こうした「自覚のなかった疑問?」にあるような出題の回答レベルを用意しておかないといけません。
「そこまでしなくても良いでしょう。『提要』からの出題レベルで合格できます。」
「いいえ。教採で合格できても,児童生徒等との信頼形成においては不合格です。『提要』からの出題レベルで良いと考える時点で,教師の資質に問題があります。〈ホンモノの教員〉にはなれません。」
「では,「自覚のなかった疑問?」の〈正解〉は何ですか?」
「その説明にはかなりの時間と理解力が必要です。今後,開講予定のオンライン教員採用試験対策講座の中でお話させていただきます。」
(4) 規範意識の育成
Q
次の文章は「規範意識の育成」について暴力行為への予防を採り上げながら述べてあります。この文章をよく読んで,文章中には指摘されていない「規範意識の育成」にかかわる課題を一つ指摘し,あなたが考えるその解決方法を論じてください。
なお,次の文章は『規程』(第6章 Ⅱ 個別の課題を抱える児童生徒への指導 第5節 暴力行為 1 暴力行為の予防に向けた取組 (4) 規範意識の育成,p.171) から引用したものです。
規範意識は,家庭におけるしつけ教育や基本的な生活習慣の確立を基盤として,学校における全ての教育活動を通じて養われていくものであります。そして,規範意識を育成することは,暴力行為のない安全・安心な学校づくりに結びついていくことでもあります。
とりわけ暴力行為を予防するためには,学校や学級のきまりを守るなどの身近なことや自分たちが住む社会の法律を守る意味と重要性などを中心に継続的指導を進めていくことが大切であり,この活動を通じて自分を律していく力と判断する力を身に付けることが教育目標となります。
なお,暴力行為の予防という視点から規範意識の育成にかかわる活動を例示しますと,①人権尊重・正義感や公正さ・命の大切さ・被害者の視点などを取り上げた教育活動,②他者とのかかわり方など社会性を身に付ける取組,③体験活動やボランティア活動,地域社会と連携した取組などが挙げられます。
出題趣旨
上記の引用文には「規範意識の育成」にかかわって,重要な課題が複数脱落しています。それを見抜き,解決方法を講じる生徒指導力を主とする受験主体の教員としての資質・能力を測ります。少しだけレベルの高い出題です。しかし,日頃,教育時事情報に敏感であれば,課題は発見しやすく,課題が発見できれば,巷間の参考書や問題集を使用した対策程度で,解決方法は簡単に論述できるはずです。
3 〈ホンモノの教員〉の豆知識
新春特別企画としての本メルマガですから,通常とはちょっと雰囲気を変えた「豆知識」をご披露いたします。今夏,教採を受験される方が多くご覧になると思いますので,私の個人情報を丸出しにしながら,少し教採対策風にアレンジします。
テーマ
面接官を侮るなかれ
私が大学4年生の頃でした。いつもの行き付けの居酒屋で,友人と呑んだくれていました。友人との会話は異常に盛り上がっていました。いつものことですけど…💦
私はカウンターに腰掛けるのが大好きです。その日もカウンターの正面に陣取り,眼前に見飽きた店の大将を見据え(笑),友だちは私の右隣りに座っていました。
私のすぐ左隣にはスーツをビシッと着込んだ57~58歳の紳士が座っていました。その男性もさらに左隣に部下と思われる若い男性をお連れでした。
つまり,お互いがお互いの友人同士と話を交わすのですから,私とその紳士とは常に背中合わせの状態が続いていたのです。
紳士がお店に入って来られて,かれこれ2時間ばかりが過ぎた時のことです。私の背中を誰かが突いています。それはその紳士でした。半ば良い気分に出来上がっていた私は友人との凄まじい談笑で,紳士が声を掛けてくださっていたことに気づいていなかったのです。
紳士:あなたは学生さんですか?
私 :はい。
紳士:どこの大学・学部の何年生ですか?
私 :広島大学教育学部の4年生です。
紳士:それはちょうど良い! うちで働きませんか?
紳士:私はこういうものです。 ○○○○○○。(塾長註:企業秘密であってはいけないので,以後の紳士の会話は割愛します。)
私 :(差し出された名刺を凝と見る。そこには本県で最も大きい地方銀行で,超幹部であることが記されていた。)[私の心の中]スカウトだ。また,なぜ自分なんだ?
紳士:実は,(紳士が)入店以来,あなたのお話を聴かせていただいていたのです。いや,盗み聞きをしようとしたのではないのです。面白いお話だったので,向こうを向いていましたがね,背中越しに自然に聴いてしまいました。その話術だけで,うちの就職試験には合格しますよ。はっはっ。
私 :[私の心の中]からかってんの? 友人との話は酒の話が中心で,ちょっと卒論の話をした程度だぞ。そんなに面白い話などしていない。ホントウに○○銀行の超幹部か? しかも,自分には高校の教員になる夢がある。ついでにプライベート使用のお金はいつも丼勘定だ。経済的センスは全くない。
私 :誠に申し訳ございません。折角のお話なのですが,私には小学校2年生の時からの一途な夢があります。それは高等学校の教員になることです。その夢を追わせていただけますか?
紳士:いや~そうですか~誠に残念です。教育学部ですから,それはそうですよね。でも,いつでも気が変わったら,この名刺を携えて,私を訪ねてください。いつでもお待ちしていますから。
別に,私の自慢話が目的ではありません。しかし,これは実話です。
この紳士は恐らく当該の銀行の人事担当を経て,当時のポストにあった方だと思うのです。人事担当者の感性は鋭く,そのアンテナは職場のフィールドを超越している。その時,そのように感じました。
考えてみれば,当たり前の話です。人事担当者は彼ら/彼女らが所属する世界・組織の専門性高きエキスパートであり,その世界・組織を背負っている人たちなのです。専門性の窓から他者を見る目は当然肥えている。
このような実体験を交えたお話を臆面もなくさせていただくのは,(教採だけではなく,面接試験を受けられる)受験主体を思う気持ちからなのです。
と申し上げますのも,巷間には教採関係のブログや記事の中で,面接官を愚弄する記述が複数存在し,それが矢鱈に気に懸かっているからなのです。そうしたブログや記事を読んで,世故に長けておらず,仮想的有能感に浸ったエゴイズム(egoism)の世の在り方に思いが至ってしまうのです。
万一,受験主体(ブログや記事の読者)がそうした言説を鵜呑みにしてしまったら…
言ってしまえば,面接官も人それぞれではあるのでしょうが,そうした認識が前提となっているようでは,必ず痛い目に遭うと思います。
因みに,後になって,当時の紳士が紛いもなく,当該銀行の超幹部であったことが判明したのです。
4 塾長の横顔
新春版のメルマガということで,もう一つ自己開示を。
おっと,「自己開示」と言って思いました。児童生徒,将又,保護者等の前で「自己開示」ができるようになったら,プロの教員なのでしょうね。
私は歌が大好きです。どちらかと言うと,歌うことの方が大好きです。
だから,カラオケが大好きです。大学院生時代,一人カラオケをして,途切れることなく,何時間くらい歌えるものか試みたことがあります。☺
4時間23分
これを過ぎたところで,歌唱中,生理的に鼻から息が抜けて,発声できない身体状況に陥りました。つまり,がんばって歌っているのですが,「フンガフンガ,フンガフフン」と何度やってもなるのです💦💦 声にならないのです。息が抜けるばかり。(塾長註:これも実話です。なんならお試しください。きっとそうなる。)
このように歌うことが大好きですから,上述の「〈ホンモノの教員〉の豆知識」に登場した居酒屋で,ある日,調子に乗ってカラオケを歌っていたら,見知らぬ,一見客と思われる美男美女の紳士淑女から,これまたスカウトを受けたのです。
差し出された名刺には「サ〇〇ュー○ック」と書いてありました。名刺を差し出された,同性から見ても超格好良い美男の紳士は「水谷麻里を育てました。」と言っておられました。水谷麻里さんと言えば,1980年代後半に活躍された元女性アイドル歌手です。
紳士はその後「××××××。」と話されました。私をスカウトする理由です。しかし,これも当時の企業秘密と解されるので,ここではお話できません。ですが,「サ〇〇ュー○ック」は凄い。先見の明がありました。実は, 「××××××。」 の企画戦略は,十数年程前,歌謡界で爆発的な人気を博したのです。それが直截 「サ〇〇ュー○ック」の主導によるものか否かについては,私には確かめようがありませんが。
「おおっ~,わしもアイドルスターか!?」
そう思ったのは一瞬でした。
「てなわけないじゃろう。」
自ら即時に否定しました。だって,この容貌ですよ。
新春版でかなりのサービスをしてしまいました。自己開示し過ぎです。ほどほどに。
ただ,この話には,その居酒屋で繰り広げられた,スカウトされるまでの芸能界らしいやり方が隠されています。その件は後日に委ねましょう。(笑)
後日談:このお話に登場する美男美女の紳士淑女もホンモノであったことが,その数日後,あるラジオ番組内で偶々明らかになったのです。居酒屋でそのラジオ放送を聞き,この珍事件を目の当たりにしていた常連さんたちから,どよめきともつかぬ歓声が上がりました。
「ほんまじゃったんじゃのう~!! こまっちゃん[5]私のこと。誰もが半信半疑だった…?!!」
追記
実は,何を隠そう,当私塾の副塾長 住本小夜子は10代の頃,某芸能プロダクションのオーディションに合格している兵なのです。当時は歌唱力だけでは合格要件にならず,演技やダンスなども厳しい審査だったとか。
いつしか,当私塾「鍛地頭-tanjito-」は芸能学校に変貌しているかもしれません。(笑)
(完)
参考文献
(巻2完)
奥 付
「教員採用試験合格道場―オンライン教員養成私塾「鍛地頭-tanjito-」」公式メールマガジン
【発行責任者】 塾長 小桝雅典
【お問い合わせ先】
電子メール tanjito.higashihiroshima@gmail.com
© 2020 「鍛地頭-tanjito-」
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