教室でにこやかにほほ笑む新一年生

ここでは,「面接試験・小論文試験対策のためのオリジナル教材演習」の中から,生徒指導分野の教材を採り上げ,ご紹介いたします。
是非,チャレンジしてみてください。

注:「面接試験・小論文試験対策のため」とありますが,次の教材見本にチャレンジしていただければお分かりのとおり,当塾の教材はただ勘で解けるものではなく,必ず参考資料等を見出し,読み,考え,表現しなければならないものとして作成してあります。こうした地道な営為が穴埋めや選択肢問題などを主とする1次試験の対策となっていることをご理解いただきたいと思います。

〔追記〕
上記の下線部のような学習方法が実力(実践力)育成の最たる学習方法であることは,児童・生徒を指導する立場にある者としては常識の範疇にあることを申し添えておきます。(塾長)

1 演習問題

 次の文章をよく読んで,後置する設問に対するあなたの考えを記述してください。(字数制限なし)

 
 AはX校に通う中学2年生の男子生徒である。

 日ごろから友人は少なく,特定の友人(2人)と時たま話す姿を見かけるくらいであった。

 目立たない生徒であったが,1学期の終わりごろから,2~3日連続する無断欠席が重なるようになり,担任Cは少し気になっていた。

 また,この頃から,Aは授業中に居眠りをすることが多くなり,教科担任からしばしば注意を受けるようになった。同時に,次第に友人と語る姿も見られなくなり,休憩時間を一人で教室の自席に着いたまま過ごすようになっていった。しかし,クラスメートからいじめを受けているといった様子は見受けられなかった。

 2学期に入ってからは,毎日のように遅刻をするようになり,早退も重なった。1日のうち,出席する時間が1~2時間となる日もあった。服装もシャツの裾をズボンから出したままにし,頭髪も茶髪に変わった。また,先生や友人に対する言葉遣いが粗雑になり,スマホを校内に何度か持ち込んだため,指導を受けることもあった。(担任)CはAの豹変ぶりが不思議でならなかった。

 9月末,1時間目の数学の時間のことだった。長い時間,机にうつ伏せたままになっていたAは,教科担任Bに注意を受けた。当初はなかなか起きなかったAだが,最終的には渋々指導に従った。
 だが,起き上がったAの机上には,授業道具が何も出されていなかった。

 そうこうしているうちに,Aは下を向いて,何かごそごそやり始めたようだった。それに気づいた(教科担任)Bは,ちょっとの間,Aの様子を伺っていた。Aは机の引き出しの中に両腕を突っ込んで,しきりに動かしている。(教科担任)BはAがスマホを操作しているのだと思った。そこで,(教科担任)BはAの傍に近寄って行った。

 「A,学校にスマホを持ってきてはいけないのを知っているだろう。何回言えばいいんだ。持っているスマホを出せ!!」
 (教科担任)Bは大声で怒鳴った。しかし,Aは,
 「筆箱を探していたんだ!!」
と強硬に言い張るだけだった。

 その後,(教科担任)Bは何度もスマホを出すように怒鳴り続けた。だが,Aは一向に指導に従おうとはしなかった。
 そこで,(教科担任)BはAの腕を引っ張り,廊下に連れ出して指導を続けようとした。(教科担任)Bに腕を引っ張られたAは驚いて,その手を振り払おうとしたが,離してくれない。Aは思わず(教科担任)Bの胸を強く突き放した。そのはずみで,(教科担任)Bはよたよたと後方に姿勢を崩し後退してしまった。

 その隙を見て,Aは教室を飛び出した。

 「待ちなさい!!」

 (教科担任)Bは一度大きな声で呼び戻そうとしただけで,Aを追い掛けることはしなかった。

 「さあ,次の問題を解くぞ。」

 そう言いながら,(教科担任)Bはそそくさと教壇に戻り,そのまま授業を再開したのである。

 授業終了後,(教科担任)Bは先ほどの授業であったAの出来事について(担任)Cに話すことにした。
 だが,(担任)Cは話だけを聞いて,急ぎの仕事に戻り,Aの件はそれでお仕舞になってしまった。

 夜遅く,Aは帰宅した。

 Aの表情を一瞥した母親は,Aの様子がおかしいことに気づいた。

 「何かあったの?」

と,繰り返し繰り返し母親は訊ねた。
 
 最初は黙っていたAだったが,そのうち,ぽつぽつとその日の数学の時間の出来事を話し始めた。その中で,授業に参加しようと本当に筆箱を探そうとしていたこと,学校を飛び出した後,一人で学校近くの公園や繁華街をうろついていたことなどを語ったのである。

 Aの瞳には涙が滲んでいた。

 母親は父親と相談し,学校に連絡することにした。

 電話を取ったのは教頭だった。母親の話を聴いた教頭は終始何も言葉を返せずにいた。

 「校内で確認してみます。」

 これが,教頭が最後に絞り出したたった一つの言葉だった。

2 設問

(1) Aはどのような生徒だと考えられますか。また,Aの言動の変化は,何が原因だと考えられますか。

(2) (教科担任B,担任C及び教頭を含む)X校の生徒指導上の問題を挙げ,挙げた理由を簡潔に記述してください。挙げられるだけ挙げること。

(3) X校の生徒指導上の改善点を箇条書きにして,簡潔に記述してください。ただし,今回は「組織的な生徒指導」に関する改善点だけを記述すること。

(4) 学校として,Aにはどのような指導を行うべきだと考えますか。

※ 解答用ワークシート(省略)

3 解答と解説

省略(当塾で一緒に考えましょう!!)

[補説]

本問は個人演習としても活用できる当塾オリジナルの教材ですが,Zoomを活用した塾生同志によるグループワーク(実施予定)でも利用できる教材です。

《Zoomを活用したグループワークの手順(例)》

ⅰ 個人演習
全塾生で行う演習の日までに,設問(1)~(4)に対して,個人で回答を作成しておく。

ⅱ グループワーク
全塾生で行う演習の当日,塾長から指定されたグループに分かれ,Zoomのグループ用ミーティングルームに入り,各塾生が作成してきた「ⅰ」の回答に基づきながら,討議を行う。(グループ内のホスト及び記録係は当塾が指定する。)

ⅲ シェアリング(全体)
「グループワーク(ⅱ)」終了後,再度,Zoomの全体会場に集合し,塾生全員でグループワークの検討過程及び結果についてシェアリングを行う。

ⅳ 振り返り
「シェアリング(ⅲ)」後,「グループワーク」及び「シャアリング」の内容等を振り返り,各自で簡潔に感想を述べる。

ⅴ まとめ
塾長が「グループワーク」及び「シェアリング」並びに演習問題のポイント等についてまとめを行う。

© 2018 「鍛地頭-tanjito-」


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